矢向に引っ越してきて、やっとこの街の飲み屋や料理店がわかるようになってきた頃、行きつけのBARの近くに弁当屋があるのを知った。
引っ越してきたばかりの頃はこの街にはまだ個性的な弁当屋(チェーン店では無い)が結構あったと記憶する。しかしどんどんと店を畳んで行った。売り上げか悪かったのかチェーン店が台頭し出したからかもしれない。おそらく店舗効率的にはチェーン店の方が楽だと思うし。
僕が好きな弁当屋さんはチェーン展開してなくて「ご飯に明太子追加してもらってイイですか?」とか「目玉焼きや唐揚げのトッピングが気軽に頼めるような店」だ。
そんななか、矢向で最後まで個人経営として最後まで残った弁当屋は『ときわ』と言う弁当店。学校の朝練の生徒なども利用すると言う事もあり朝早くから開いていた。
ボリュームたっぷり、ほとんどの弁当が540円。ハンバーグ弁当も540円、唐揚げ弁当も540円!しかし、ハンバーグ弁当にはおまけで唐揚げがいくつか付くと言う異次元の価格設定であった、またものによってはワンプレートだったりご飯は別だったり……実に不思議な料金体系だったと今でも記憶する。
BARで朝まで飲んでいたあと(5時過ぎ!)に弁当を買って帰宅。ぐっすり寝て弁当を食べてまた元気を出す!…みたいな人も多かったと思う。おにぎりとかもあったし。
あと、昼間の早い時間に行くと事前に準備されて陳列されている弁当があったのでその中に欲しいものがあれば注文・調理の時間も不要だった。ハンバーグ弁当とミックスフライ弁当が人気だったような気がする。
矢向の飲み屋の常連で地元のソフトボールチームと練習試合した時もかなりお世話になった。かなりのメンバーが『ときわ』の弁当を買っていたなぁ。あの時はミックスフライ弁当が人気だったような気がする。女性一人では食べきれないようなボリューム。
本当に地元民に愛されて、さらに近郊を走るタクシーなどのドライバーさんたちにも懇意にされてた。
コロナ禍から(が直接の原因かは不明だが)店が不定休になり、もともと店主がご高齢と言う事である理由もあり完全に店を閉じてしまった。
コロナ禍で僕がリモートワークを続けて居る間にも『ときわ』が元気に営業していたら僕は確実に太っていただろう。
本当に美味しかったし価格もリーズナブルだった。この街もチェーン店が増えてしまったけれど『ときわ』が残ってればその牙城を崩すのは難しかっただろう。
特に鳥の唐揚げは美味しかった思い出がある。この街には色々な料理人がいる。噂ではレシピを入手した人がいるとの事。
仕上がりはいつになるかわからないけれど楽しみでもある。
写真はハンバーグ弁当。当時540円で1個だけだが唐揚げがついている。
とにかく最近はチェーン店の弁当屋が多い。
話は変わるが立ち食い蕎麦もなかりチェーン店になってきた。
没個性……とは言いたくはないけれどやっぱり好きな立ち食い蕎麦屋とか弁当屋ってのがあると良いよな、とふと思ったりした。