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キリの悪いとこで仕事終わっちゃえ!ー”ツァイガルニク効果”

”ツァイガルニク効果”
と言う言葉があります。これは終わった事柄よりも中途半端な状態で残っている事柄の方がよく記憶に残る心理現象の事だそうです。

例えば、目的が明確で作業内容も明確だった仕事があったとしてそれを予定通りに完璧に終わらせたとしましょう。ちょうど仕事の定時頃に終わったら「うわーいい感じにやりきった!」って感じになって気分も良くなると思います。それが金曜日とかだったら「週末は仕事の事なんも考えなくていいぞ!」みたいな感じで美味しいお酒が飲めるのではないでしょうか?

ただ、そう言う予定通りに上手くいった作業ってあんまり記憶に残らなかったりするんですよ。嫌な言い方をすると「出来て当然」みたいな。ちゃんと頑張ったのにあんまり評価されなかったりするかもしれませんね。

僕はシステムエンジニアという仕事上、プロジェクトの推進に置いて複数のタスクを持っていたりします。設計書の作成とかは正直「時間かかる。面倒」みたいに思いながら仕事をしている時もありますが、きっちり作ると”手離れ”して別のタスクに着手する事ができます。こういうのを『手離れが良い作業をこなす』と言ったりします。

問題なのが”不具合対応”ですね。「思った通りに動かないんだけれど!直してくれないと困るよ!大至急直せ!」みたいな状態です。これも自分が設計したプログラムならまだ分かるのですけれど、他人が作成したプログラムで仕様書も曖昧だったり…とか。これは本当に難しいんです。
プログラムの不具合対応って
1・不具合の再現
2・怪しい部分を数ヶ所ピックアップ
3・不具合が起きるであろうデータを使って実行
4・その通りだったらプログラム修正
5・正しく直ったか?この修正により他のプログラムに影響を与えないかを調査
と結構なタスクがあります。

1の『不具合の再現』ですが、これはお客様も「1回だけ起こったけれどその後は発生していない。もう同じエラー出せない」みたいな感じだと(優しいお客様だと)「再現性無し」と言うステータスになり、次回同じ不具合が発生するまでクローズしたりします。

ただ、2と3が大変で、2と3の予想で不具合が上手く再現しなかった場合……地獄のスタートです。
最悪考えられるケースを全部掛け算したパターンを試す事も想定されて「げげ」となります。

この「まったく分からん!」って言う状態の時に僕は煙草を吸いに行ったり、思い切って「明日考えよう!」とか割り切って帰ったりします。

Debug walking

煙草を吸っている間はパソコン触りませんし、会社から家までの通勤時間もパソコンは触れません。
そんな時に、ぼんやりと「あれ?あのケースのテストしたかな?」みたいな発想が生まれる事があるんですよ。嘘かも知れませんが「夢でデバッグしててなんかわかった」みたいな事もあります。後はお風呂ですかね?

この「作業を途中で中断(投げ出し)して、別の仕事やプライベートを過す」ってのが典型的な”ツァイガルニク効果”みたいです。

これを書きながらちょっと思ったのですが、クリエイターも同じなのかも?…って事です。
僕の仕事の場合はシステム構築なので『正答』はあります。ただ、クリエイターの方は『答え』って言うのがとても不明確ですよね。今思っていて過去にミュージシャンとかのインタビューを読んでいたのを思い出したのですけれど「ランニングしている時に思いついた」とか「風呂で湯船に浸かっている時に歌詞が降ってきた」みたいな事ってけっこうあるそうです。
漫画家とか作家も同じなのかもしれません。

「作れ!」と言われてもずっと机の上でうんうん唸っていたり、ガムシャラにギターを弾いていても上手く創作が出来ないのではないでしょうか?そんな時にそれ(創作)を忘れて日常を過していた時にふっと降ってくる…これも”ツァイガルニク効果”の一種では無いか?と思っています。

勿論、いつまでもそう言うのをモヤモヤと抱えているとストレスになりますし、例えば転職とかをした時にはそう言う”やり残し”はきっぱりと忘れても良いんじゃないかな?と。

ちなみに、”ツァイガルニク効果”が起こる原因は”心理的リアクタンス”と言うこれまた謎の現象が絡んでいるそうです。難しい言葉ばかりですね。”心理的リアクタンス”に関しては『行動が制限された状態だと反発して自分がやりたい欲求が高まる』事だそうで、学校のテストの直前に「遊びに行きてー!」って言う感覚と似ていると思います。

無理やり”ツァイガルニク効果”に期待するってのはストレスになると思います。僕も仕事の進みが乗っている時は「あとここまでやったら煙草行こう」とか、実際そこまで行っても「ここまで行ったら煙草にしようと思ったけれど、もうちょっとキリの良いところまでやっちゃおう」みたいな感じになる事があるんで、そう言う時は集中します。

仕事や勉強だけれは無くて恋愛でもこのような事があるかもしれません。些細な事から凄い喧嘩になってしまって顔を見るのも会話するのも嫌!みたいな場面は恋愛初期には多々あるかもしれません。そう言う時には思い切って2日位会わないとかすると「あれ?俺も言い方が悪かったかな?ちょっとムキになってしまったかもしれないな」みたい感じになり、次に会う時はまるで喧嘩が無かったかのように普通に過せるって事ありませんか?


ちなみに僕のこのブログのエントリーは基本的に一気に書き上げる事はほとんど無いです。ただふと思った事をちょっと書き留めておく程度。そう言うのが凄い蓄積しています。僕のブログは趣味でノルマもありません。ただ少しでもタネを蒔いておく事で未来の僕へ”ツァイガルニク効果”を期待しているのかも知れませんね。

あと、この効果、行動を制限しすぎると反動が激しすぎるかもしれません。例えば子供の頃にゲームを一切禁止されて育った人が学校を卒業して自分のお金で暮らせるようになった時に反動でゲーム中毒になるとか……。幼少期の行動制限は少々危険かもしれませんね。ご注意を。

では。

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