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お金は無いけど時間はあった(ネットも無かった)

今、TVのゴールデンのMCをやったりしているお笑い芸人とかの昔話を聞くと「お金は本当に無かった。芸人の仕事が無いからバイトするしか無いんだけどお笑い番組のオーディションとか突発的なイベントに参加するためにシフトの調整がしやすいバイトとなると出来るバイトは限られた。仕事がない時は時間だけはあった。でも、なんかあの時期が今思えば楽しかったなぁ」的な話が出てくると思います。

この時期があるからしっかりとネタを作り込んだり『バイトエピソード』とか『貧乏飯』みたいな芸人として必須なネタがストックされるんですよね。

こう言う時期は誰でもあるはずです。一言で言うと『モラトリアム』。

Moratorium man

僕は高卒ですぐに会社に入りサラリーマンになったのでそういうエピソードはほとんど無いのですが、今思っても高校時代が『モラトリアム』でしたね。本当に馬鹿みたいに色んなことをしてました。バイトもしてたし。

あとそういう芸人っておそらく仲が良い芸人仲間みんな揃ってお金が無かったんだと思うんですよね。パチンコとかに使っちゃっている人もいると思うんですけれど基本的にみんな貧乏。
バイトの給料日が違う仲間からお金借りてみんなで自転車操業してたとか消費者金融のお世話になっているとか。
多分、その中に1人だけ凄いお金持ちがいたら白けてしまうと言うかハングリー精神が失われると言うか……お金あったらネタ作らないでその人のお金で遊んで過ごしてしまうんじゃないかな?と。

芸人に限らず『何者かになりたい』人に関してはその傾向があると思います。ハングリー精神というか、モラトリアムを如何に楽しんで”何者かになる努力”をするか……
ミュージシャンとかも一緒だと思います。

でも、何者かになりたい!と言う向上心はそんなに強く無く、金はない。ただ最低限の生活をする事はでききてて”芸人やってるから”という理由を盾に社会に入る事を拒む…。
例えば錦鯉の渡辺さんは結果的に成功しましたがエピソードを聞いているとそんな感じだったそうです。

昔はネットが無かったので本を読むとか映画を見るとか、テレビ・ラジオ……などで時間を潰していたと思いますが、今はそんな人にとって最高の時間潰しがネット(SNS)なんじゃないか?と思ったりしてます。

何者にもなれないから何者かになった人に文句を言いたいし匿名だから自分の身分を明かさなくてよい。安全地帯からの攻撃ですね。
でも、ネット以外の実社会では本当に『何者でもない』。そう言う人がなんか怖いと言うか心配というか…。
誰にでも平等に時間は流れますからね。
若いうちに「いかん、いかん。現実と向き合わなければ」と思い直せればまた社会に出られますけれどそのまま年齢を重ねてしまった場合。

「あれ?周りの仲間って気がつけば就職したり結婚とかしてね?」

みたいになるのは勿体ないと思うんです。毎日のようにダラダラ過ごしていた仲間が日に日に疎遠になっていって気がつけば一人、年齢ももう取り返しのつかない所まで来てしまった……

ネットが無い時代は本を読んだり映画とかアニメ見てたりしてたはずですが、昨今の“タイパ“とかを意識して短時間で映画の内容を吸収して、SNSで発信したり批評・批判する行為ってインプットが明らかに足りない…と言うか情報として薄すぎるんじゃないかなって思います。

有吉弘行さんは一発屋が終わった後、今の地位に復活するまでは日中は自宅に篭ってテレビばっかり見ていたと言いますし、空気階段の鈴木もぐらさんは家にラジオしか無くてひたすらラジオを聴いていたそうです。

それらの行為は無駄かもしれませんが芸人としては本当に色々なインプットに繋がっていたのでは無いかな?って。あくまでも結果論でしかありませんが、今成功している芸人は売れない頃にSNSで誹謗中傷ばかりしていた訳では無いと思います。

貧乏だからとかそう言うので無くとも、お金にならずとも何かを作り続けた人、数をこなした人はやっぱり強いです。美大とか音大とかは非常にお金がかかるので才能以外のものも必要になると思いますが、やはり何かを続けて、批判されて直して、作って、練習して…を繰り返していると思います。

そこまで行って(自分で経験して、挫折して)からの世界ってのはまた違って見えると思います。そういう時代があるから自信に繋がりますし、毒舌みたいな事も言えると思うんです。
今の芸人ってSNSありきの時代ですよね。やっぱり自分の出演番組とかのエゴサーチとかはするのでしょうね。

あと、このエントリの冒頭の方に「1人でもお金持ちがいたら」と書きましたが、令和ロマンさんはお金持ちの家に育っています。なのでこれからの芸人には”お金もあったし時間もネットもあった”という人が増えてくるかもしれません。
そればっかりはどうなるかは今時点ではわからないですね。ただ「芸人は貧乏であるべき!」というつもりはないのでこういう芸人がどのように成功しているのか?は楽しみであります。

ただ、やはり僕の時代としてはスティーブ・ジョブズの”Stay hungry , Stay foolish.”精神が一番好きです。

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