カイジと言う漫画には多数のスピンオフ作品群があります。それぞれ本編(カイジ)の有名キャラクターなのですが、スピンオフは棲み分けがキチンとしており、同じような内容にはなっていないのが特徴です。
現時点では下記のスピンオフが出ておりますね。
- 『トネガワ』は中間管理職
- 『ハンチョウ』は独身中年
- 『イチジョウ』は上京したての若者
この中で僕は独身中年なので『ハンチョウ』がしっくりきます。もしかしたら高卒で上京したての頃だと『イチジョウ』に共感出来たのかも知れませんが今の僕は断然『ハンチョウ』です。
ちなみに、それ以外の作品はキャラクター名がタイトルについていますが、『ハンチョウ』だけは役職ですね。ちなみに主人公には大槻太郎と言う名前がキチンとついております。
この作品、どうやってネタを考えているのはよく分からないのですけれど個人的には回によって当たり外れが大きい漫画なのではないかな?と感じています。ただ基本的に一話完結なので面白くない回は読み飛ばせばよいだけの話なので気分は楽です。
どれが”自分に刺さる”か?は人それぞれだと思うのですが大半を占めるであろう”グルメ回”に関しては基本的に(この漫画が好きであれば)嫌いな人は居ないと思います。
僕はたまに出てくる”日常に疲れたハンチョウ”の回が好きです。
例えば、
- 知らない街(特に田舎方面)へふらっと行く
- 昼間から痛飲する
- なんとなくスケッチにハマる
みたいなエピソードが好きです。非日常を味わう事で気持ちをリセットしたりする回は僕自身が今まさにやりたい事なので「やっぱりそう言うのっていいよな〜」と思いながら読んでいたりします。
ちなみに、この『ハンチョウ』って漫画は設定にバグがあって1日外出中は基本無尽蔵にお金使えるんです。
宿泊時のホテルこそ『格安ビジネスホテル』になってますがそれ以外のお金の使い方はかなり自由です。
ハンチョウが仲間を連れて高級店に行く時(サンマの塩焼きを食べる回)こそ「今回はかなりペリカを使うから覚悟しておくように」と言っているのですが基本的にこのペリカ、ハンチョウとその仲間が地下施設でチンチロと言うサイコロ賭博をして荒稼ぎしている設定なので「外出時にお金がなくて困る!」と言う場面はありません。
衣食住は地下労働施設での労働で賄ってますので労働の対価として支給されるペリカは全額お小遣い扱いです。そのためか外出時に「地上で節約する」と言う場面はありません。高かれ安かれ食べたいものを食べたいだけ食べる。それだけ。
でも、この漫画って独身中年の理想の生き方なんじゃないかな?って思うんです。
“独身を貫き結婚しない生活”と割り切った場合、役職は班長で地下賭博をしているのでお金(ペリカ)はあるし、仲間(同じ班の賭博仲間の部下なので勿論独身。)を引き連れて地上ではやりたい放題だし、地上に友人(木村さんと黒服数名)はいるし何不自由しないで過ごせてるのかなあーと。
ペリカをお金に変えれば風俗に行っても良いみたいですし。
あと地下施設ではネットが出来ないですしスマホが出てこないのでマウントを取ったり承認欲求を満たすような事はありません。SNSっていう概念がないんですよね。
日頃、過酷な労働をしているからこそ地上に外出した際は思いっきりやりたい事をやる…まさに独身サラリーマン。
あくまでも漫画なので、病気になったり(地上で風邪をひきそうになるエピソードはありました)、老いとの戦いは描かれていないのですが、そこは長寿漫画の宿命。年齢は基本的に取らないのです。
日々残酷なニュースや聞きたくも無い情報が溢れている地上よりも、肉体労働で身体を使いぐっすり眠る。
今は、地下の労働生活の方が天国なのかも知れませんね。
ただし、このハンチョウのようにペリカを儲ける側の人でないと地下施設は娯楽が無い地獄でしかないのでお気をつけを……