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路傍のフジイ

路傍のフジイと言う漫画があります。最初にタイトルを聞いた時は『路傍の石』のオマージュなのかな?なんて思っていたのですが良く考えたら僕自身、『路傍の石』を真剣に読んだ事が無かった事を思い出しました。

この作品、TBSラジオでのCMを聞いたタイミングとほぼ同時期にKindleのおススメに出て来たので読んでみたんですよ。Unlimitedに入っているので1巻は無料でした。

で、読んで「なんか主人公(フジイ)の生き方いいな…」と思いました。続きが気になる!と言うストーリーものでは無いんですけれど他の回も読みたいな…と思わせてくれる作品。

主人公は40歳を超えて独身生活の男性。おしゃべりな方ではなくて淡々と与えられた仕事を寡黙にこなしていく感じ。周りから「何が楽しくて生きているんだか?」と思われてしまうようなキャラクター(フジイ)の日常が描かれています。

承認欲求とか意識しない。他人に対してマウントも取らない。
目を輝かせる事はあまり無いけど自分を蔑むような事もない。
逆に「この人に比べれば俺はまだマシ…」みたいな事も考えない。

自分が友人だと思えばその人は友人。ただ積極的に会うような事はしない。向こうが友人だと思ってくれていなくても自分が友人だと思っていればそれで良い。

かと言って無趣味で単調な日々を送っているか?と言われるとそうではない。趣味は広く浅く。あくまでも自己満足の世界。
そう“自己満足“。つまり自分が満足すれば良いのだ。

他人からの評価は気にしない。だけれども褒められると勿論喜ぶ。

だからと言って孤独か?と言うとそうでは無い。口下手かも知れないけど聞かれたことに対しては誠実に自分の意見をきちんと述べる。


そんな漫画です。

Fujii

これを読んでいておこがましいかも知れませんが「僕もそうかも?」と思うような部分は所々ありました。
流行っているからと言って話題に乗り遅れないように取り入れる事もしないし、かと言って毛嫌いもしない。

自分が好きなものを“絶対“だと思って他人に薦めない(強要しない)。

『自分を持ってる』と言うか軸がしっかりしてる人と言うのは他人の意見に流されにくいです。
逆に軸を持って無い人は周りに合わせるようにするからきっと疲れるんだろうな、自分が忘れ去られてしまう…無くなってしまうことに日々怯えているのかもしれないなと思ってしまいます。

『人の心の中に生きてこそ人生』

僕の人生で僕を形成してくれた友人は沢山います。心からリスペクトしているし、今、会社の若手と話していて『波秋さんって凄いですね!』って言われても「俺なんかが全然敵わない友人たちが僕には沢山居るよ」と言うようにしてます。これは本心。

僕も誰かの人生を形成する一部になれればな…なんて思いながら日々過しています。でもそれは決して押し付けるようなことでは無く。

今の世の中、疲れる事が多いと思います。スマートフォンが一般化してSNSが全盛になってしまった。それが全部悪いとは思わないですけど使い方によっては疲れる人もいるのでは無いでしょうか?

例えば休日に1人で趣味で過ごして、その行為に対する感想などが学校や会社の誰とも共有出来なかったとしても……それは決して無駄じゃないんですよ。

「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」

これは『路傍の石』と言う作品に出てくる有名なセリフだそうです。時折他人に流されたり合わせるのもいいかもしれないけれど、自分が本当にやりたい事をやるべきなんだろうと思います。

また、中島らもと言う作家の名言で「1人で時間を潰す能力を“教養“と呼ぶのだ」と言うものがあるのですが本当にそうなんだよな、と思います。

自分一人で時間を潰すことができる能力を「教養」と呼ぶのである。

最初の方に書いた「何が楽しくて生きているんだか?」と言う人に対して「あなたは何が楽しくて生きているんですか?」と無言で問いかけてくるような作品です。

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