2024年のM-1、僕はリアルタイムでは見ていなかったのですが、お笑い好きでは何かと話題にはなっていたと思います。特に2023年のM-1王者である”令和ロマン”が連覇に向けてエントリーし決勝に残った点と「松本人志不在のM-1はどうなってしまうのか?」と言う点なのではないでしょうか?
もうここ数年、年末の漫才賞レースである”M-1”は「人を笑わせる」と言う点において決められた時間内でどのような構成を作って何回ボケて何回ツッコむか?みたいな”競技漫才”になっている傾向があるのと、コンテンツ力があるため敗者復活戦含めとても長時間の放送となるので「テレビを適当に付けたらやってたから見た」とかそういう気楽な気持ちで見られないと言うか見ている方も”疲れる”感じになっていたと感じています。なので特に録画もせずリアルタイムで見る事もありませんでした。
翌日の朝、ニュースで”令和ロマン連覇!”と言う情報を見て「松本人志がいても優勝、いなくても優勝。もう誰も文句言えないでしょうよ」と言う気持ちになったのと同時に「バッテリィズが大きな爪痕を残した」と言う情報を知りました。
ちなみにその時点で僕はバッテリィズさんに関する事前情報はゼロです。
M-1が終わった後、令和ロマンさんも「バッテリィズさんの勢いで負けるかと思っていた」というニュアンスの発言をしていたり、後日のおぎやはぎさんのラジオでの「もう、M-1は攻略法が見つかっちゃったんだよ。頭が良い人が攻略法を使えば勝てちゃう。でも、もしバッテリィズさんが優勝していたら多分、その攻略法はまだ完成しなかったんだろうね」みたいな発言を聞いて、俄然バッテリィズさんに興味が湧いてきました。
で、TVerの見逃し配信で1stラウンドと決勝のネタを令和ロマンさんとバッテリィズさんの部分だけ見てみたんです。結果、両方ともとても笑えました。ただ、令和ロマンさんは”頭の中でちょっと考える”事で笑いが増幅する感じがあったのに対してバッテリィズさんのネタは何も考えなくても笑える、と言うネタの作りだったと思います。
2024年のM-1の審査員として参加したオードリーの若林さんは「久々に、底抜けの”アホ”が出てきた!」と絶賛。オードリーさんもM-1では優勝せずに準優勝でしたが大きな爪痕を残し今の地位を築いているので、バッテリィズさんも『準優勝成功組』になれるのでは?と言う思いと共に「安心して見れる”アホ”キャラ」と言う感じがとてもしたんですね。
ここ数年のM-1の”アホ”キャラ枠としては、モグライダー・ともしげさんや、錦鯉・長谷川さんがいたと思うんですけれど、ともしげさんや長谷川さんの”アホ”キャラは平場に弱いと言うか、ネタはいいんですけれどテレビとかで観ていると少しハラハラ心配する点があったんです。「本当に番組を成立させられるだろか?テンパっちゃって放送事故にならないか?」みたいな緊張感があったんです。
でも、バッテリィズ・エースさんの”アホ”キャラは平場に強いんです。頭が良い悪いとかではなくてしっかりとしている。よどみなくハッキリと受け答えが出来る人だと。
バッテリィズ・エースさんは「名前を書けば受かる高校受験に名前を書きわすれて落ちた」と言うなかなかの強キャラですが、「福沢諭吉って慶応義塾大学を作っただけで大学卒業してないよね。だったら高卒じゃん」みたいな「言われてみれば確かに」と言う小学生とかが思う純粋な観点を持っています。勿論、ネタを作っている相方の寺家(じけ)さんが「エースのキャラならこういう天然な発想になるかもな?」と思って作り上げているんだと思いますが、このキャラ付けは令和ロマンさんには出来ないと思います。
(ちょっと考えすぎかもしれませんが、令和ロマンさんは慶応義塾大学に進学しています)
少し話は戻るんですがさっきのおぎやはきさんのラジオで「昔は大学生がお笑いをやると言うケースが少なかったから(自分たちみたいな)野面がよくわからずにネタを作ってた。でも大学生が本格的にお笑いをやるようになってからネタの構成を分析して公式を作れるようになっちゃった。頭が良いからそう言う事出来るんだよね」と言ってたんです。ちなみにおぎやはぎさんはM-1に2年連続ファイナリストになっています。
エースさんはいい意味で純粋なんですよね。でもお笑いに対する情熱はある。
例えると漫画の主人公なんですよ。ワンピースのルフィみたいな(芸名が“エース“なので少々ややこしいですが)
僕はインテリお笑いも好きですけど何も考えずに見れるお笑いも好きです。そういう意味では漫才に絶対解はないんです。
これは文化全般に言えると思っていて映画やアニメとかでも『元ネタを履修しておかないと面白いと思えない』作品はありますしそう言う作品も大好きです。でも底抜けなバカ作品も嫌いでは無いです。
タイトルにも書きましたが「インテリvsアホ」の漫才対決を見たい気がします。舞台はM-1じゃなくてもいいです。どれだけ勉強してもイノセントな情熱には敵わない……みたいなそんな展開、ワクワクしませんか?
「なんだかんだ言って人間が心の底から笑えると言う本質は何なのか?」みたいな。
最後に。
このエントリーで書いている“アホ“は社会常識がある人の事を指します。「アホだから酒飲んで車を運転した」とか「アホだから信号無視した」と言う人では無いですよ。そういうのは犯罪であって”アホ”は理由にならないです。