原田宗典というエッセイストが好きでした。19の頃に知り合って、それから(彼は小説も戯曲も書いていますが)エッセイというジャンルにハマりました。
彼が書いたエッセイの中で印象に残っているのに下記のようなものがあります。
「小学校、中学校、高校時代を思い出したければ、家から、小学校、中学校、高校までの通学路を思い出して、実際に、書いてみなさい。」と言うものです。
これはなるほど、目から鱗でした。
確かに、通学路を思い出せば、それに付随する色々な思い出が蘇ってきます。
もちろん、これだけでも有用なのですが、僕はもう一つ提示したいと思います。
それは「昔、聞いていた音楽を聴け」という事です。
音楽には”その時代を封じ込める魔力”があると思っています。
勿論、子供の頃から、今まで毎日のように聞いている音楽にはその効力がありません。
誰にでも、高校時代、大学時代、片思いしていた時代、青春を謳歌していた時代にヘビーローテションしていた音楽があると思います。
最近は、日々の生活に追われ、そんな昔の曲も聴いていないよ。そういう人もいるでしょう。
でも、安心してください。人間の脳は音楽と記憶をリンクさせています。
実際、僕は「たま」と言うバンドが好きでした。世間では「さよなら人類」「ついたー!」の一発屋と思われがちですが、高校時代の僕たちの音楽生活を築く上で大事なバンドでした。
僕も、高校時代に”たま”のコピーをして楽器を覚えました。ミュージシャンならわかる所謂”手癖”も僕は”たま”の影響です。
…演奏技術は置いておいて、それから20年以上たった今、僕は仕事を終え、一人お酒を飲みながらつまらないTVを見ないで、Youtubeで”たま”の演奏を見ました。(=聴きました。便利な時代です。)
酔いのせいもあるのか、高校時代を思い出しましてね、当時の彼女とか、生活とか。それはもう財産です。
なんて言えばいいのかと考えてみましたが一番適切な言葉は”空気感”です。その空気感はフラッシュバックにも似ていて「音楽の持つ情報量」を思い知りました。
僕はもう40なので、年代的にバンドブームだったのですが、他の世代の人も”思い出の音楽”ってのは多いと思います。
もう社会に出て疲れている人々も多いでしょう。
週末くらいはお酒を飲みながら、高校・大学時代にヘビーローテションしていたバンドの曲を聴いてみてはいかがでしょうか?
きっと、人生がもっと明るくなると思いますよ。