SIerは楽しいか？

「SIerは天職か？」と言うエントリーが上がっておりました。

まぁ、定期的にIT業界辞めましたってエントリーがあがっているので、それに対する問いかけなのでしょう。

僕はどちらかと言えば日本で5本の指に入る謂わば”元請け＝プロパー”の会社でSEを20年以上やっています。（コンサルティング会社ではないです。JTCって呼ばれる方の会社です）

で、SIerやっていて楽しいか？って問いですが、僕なりの回答は「たまに楽しいときがある」です。

だって考えてみてくださいよ「○○は天職か？」と。SIer以外の職業にしたって、まぁ天職と自信を持って言える人って少ないんじゃないですか？みんな基本的には生活する為に働いている。悲しきサラリーマン。

僕の場合は技術職なので営業のようなノルマはありません。まぁ、偉くなっていくと損益(赤字にするな！)とか「利益率10%以上を目指せ！」とかのノルマと言うか指標が出てきますが。僕は結構大きな会社なのに飄々と技術一本で生きてたりします（その割に20代半ばでPMをやると言う不思議な経験をしていますが…）

どこの会社でもある程度の職位についたらつまらないのではないでしょうか？まぁ「俺は偉くなりたいんだ！」って上昇志向の人にはそういうモチベーションがあるかもしれませんが、僕はそういうタイプではないので。

また、富士通を退職した人ですが、SIerにどんな夢を描いていたのでしょうか？

富士通を退職した話

「目指すキャリアパスとのミスマッチ。」とありますが、キャリアパスを明確に持っていれば日本の大手SIerなんて目指すべきではないと思うんです。

曲がりなりにも現代のIT企業に入社したつもりなのに、20代そこそこの新卒社員が化石みたいなプラットフォームの世話を押し付けられるなんて想像だにしていなかったし、

僕に言わせれば、「新人のうちは言われた事やってればいいんだよ」って話です。僕だって新人の頃に当時流行のCSSシステムでUNIXをバリバリ触っていたのに、「UNIXじゃ性能でないから、ホストにするわ。」と言われた事があります。僕はその時に、iniファイル（懐かしいなぁ。）の定義の中で「接続先をUNIXかホストか」をわかるフラグを付けて、一つのプログラムで両方と通信できるようなdllを作りましたよ。忙しかったけれど、学びはあった。

日立を辞めた人も同じなんですけれど、

日立を退職したく

入社してすぐに希望の仕事ができるなんてのは「俺は学生の頃、お笑いやっててかなりウケてたからお笑い事務所の養成所に入るわ」なんて人が「なんでお笑いにダンスが必要なんだ！なんでM-1に出られないんだ！」なんて言っているのと一緒です。

どんな会社でも自分のやりたい事が出来るまでには学生時代の目的との間に「会社での下積み」が必要なんですよ。これが事実。会社の規模が大きくなればなるほどやりたい事が遠ざかっていきます。

あとExcelが得意な人が重宝されるのは事実です。VBAが書ければ尚更。

でも僕がSIerを続けている理由ですが、やはりサラリーの為もあるのですが楽しい瞬間もあるんですよ。

僕は比較的に所謂「火消し」と言うトラブルプロジェクトを解決する事を多くやってきたのですが、火が消えた瞬間とか収束するに向けて顧客から信頼された時に喜びを感じます。某プロジェクトでの火消しでは最後は「○○さん（僕が勤務する会社名）の意見は聞く気は無いですけれど、波秋さんが言うなら信じます」って言ってくれた事がありました。これは僕だけの自己満足としても嬉しかったのですが営業がそれを聞いて幹部達に「このプロジェクトは今は波秋が言わないとお客が納得してもらえない状況です！」ってメールを打ってくれてたみたいで……頑張った甲斐があったってものです。

また火消しでなくても普通にシステムを作ってお客様に進捗で怒られながらも予定通り稼働した時のお客様の笑顔もプライスレスですね。（エンジニアとして本番前日にお客様から「飲みに行こうよ」って言われる経験ってほとんど無いのでは無いでしょうか？「え？本番（もしくは本番移行）前日だよ？飲んでる場合じゃ無いでしょ？」って状態でお客様の方から「もう十分理解しているし安心している。もう今日は飲んで明日の本番をのんびり過ごそうよ」みたいな感じで飲みに誘っていただいた経験が2回ありました）

あとは、本当に開発元でもお手上げのプログラムを必死でデバッグして（半日ずっとデバッグなんてありました。）原因を突き止めてうまく動いた時も技術者としての喜びがあります。

僕は高卒で平凡な人間なのでまぁまぁこんな感じで生きているのですが、エントリーに上がったような人はホリエモンじゃないですけれど起業するかシリコンバレーとかに行ってエレベーターピッチをしてみてはいかがでしょうか？

日本の大手SIerに勤めるなんてそんな輝かしいものではないですよ。忙しいだけです。でも楽しい場面はあるのでやりがいは人によると思いますが「あるっちゃーあり」ます。

こちらからは以上です。