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鬱ゴハンに見る哲学。

本日、ちょっと時間が空いたので久々に本屋を冷やかしたら、「鬱ごはん」の第2巻が出ていたので、思わず購入してしまいました。1巻はずいぶん前に購入しており、つい先月にお風呂で半身浴しながら再読していた所だったので、いいタイミングで出会えたと自分では思っております。

ちなみに「鬱ごはん」と言うタイトルだからと言って読んでいて鬱になる事は基本的にはありません。
(但し、孤独が死ぬほど怖いと言う人とか、孤独な生活を見て引き込まれてしまう人は読まない方が良いと思います。)

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「ゲシュタルトはいつも崩壊している。」ー第5話回転寿司冒頭のセリフ

うーん、文学的ではありませんか!この表現を読んで思わず唸ってしまいました。この漫画には所々この様な言い回しがあり、なんか哲学を感じるんですよ。

ちなみに、基本的にはコミュニケーションが苦手な若者(フリーター)が1人でご飯を食べる話です。
所謂「グルメ漫画」みたいに食欲をそそらされる内容とは違うのですがなんか読んでしまいます。とにかく、少々ドジな主人公と、自分の心を反映(?)したツッコミ役の”妖精”と言う黒い猫みたいな物が出てきます。自分とその”妖精”の掛け合いで話し終わると言う感じですが、途中から、突然出なくなっています。

この漫画いわゆる「ぼっち飯」です。”孤独のグルメ”とジャンルとしては一緒になりますが、”孤独のグルメ”が、「美味いものを一人で食いたいだけ食べる」と言うメインテーマだとすると、”鬱ごはん”は「生きる為にただ食べる。」と言うテーマです。だから結果的に外食ではなく出来れば家で1人で食べたいと言う方向の話が多いです。

でも、よく考えたら、独身の僕も社員食堂での昼食を除けばぼっち飯なんですよね。
飲み会となれば、複数人数で夕食となりますが、それはあくまでもお酒メインの話です。
そういう予定が無ければ41歳にもなって、オリジン弁当の弁当を「うめぇ、うめぇ、ありがてぇ。」って家で一人で食べてるんですから。
でも、ここで孤独や寂しさを感じたら負けです。”鬱ごはん”も一人で食べる事に孤独感を感じていません。
(フリーターなので、社会に出ていないと言う孤独感はあるようですが。)

作者は「施川 ユウキ」と言う人みたいですが、Wikipediaで調べてみると、ナンセンス漫画に影響を受けて作品を書いているらしいです。が、僕はこの人の文学的センスに何か不思議な力を感じました。
ちなみに、”鬱ごはん”のネタの半数は実体験をベースにしているそうなので、本人も孤独なのですかね?

僕の中ではこの漫画はギャグ漫画の様に笑える作品では無いですが、「そう言う考え方で食事をしている人も居るんだな。」と考えされられる作品となっています。

諸手を上げてオススメは出来ませんが(万人受けする内容では無いので。)同じ様な境遇の人は読んでみると良いのでは?って思ってます。

 

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