ホリエモンこと堀江貴文さんの「多動力」を読みました。僕、ホリエモンの発言とかってあんまり好きではないんですけれど、本は結構好きなんですよね。個人的には「ゼロ。」は読んでおいた方が良いと思います。
で、「多動力」。実に読みやすいですね。1時間あれば読めます。(悪い意味ではありません。読みやすいと言うのも書籍の一つの大きなポイントです)
読んだ感想は、「うーん、これを読んで『目から鱗』なんて言っている人こそ、”思考停止”になってるんだろうな」って感覚です。大体が僕がいつも思っている事ばかりでした。(別に自慢ではありません。思考を巡らせている人なら大抵の人が思っていることでしょう)
でも、やりたいけれどなかなか出来ないのが40代のサラリーマン世代ですね。ただ、趣味を使って肩書きを増やすことは可能です。
僕だって、会社員(システムエンジニア)兼ブロガー兼シンガーソングライターですからね。
ホリエモンはそこらへんをちょっと煽りながら大げさに書いています。今は確かにそうやって動ける時代ですからね。
僕が唯一懸念する点は「何の技術や特技もない人(やりたい事が見つからない人)がこの本の煽り(気に入らないならやめる、電話は取らない等)を間に受けないかな?」って点です。
この本でも、「サルのようにハマれ」とあります。1つの事で1人前になるまで1万時間(本書から引用)として、それに肩書きを増やして特別な人になると言うテーマがあります。
なので、ここは是非、「ゼロ。」を読んで欲しいのですが、何の肩書きややりたい事もない人が気に入らないからすぐに会社を辞めてしまうと言う事を懸念しているのです。
別にそれも今の世界かも知れませんが、本著でも書かれている通り「1日は24時間」これは変えられません。
だから、会社を「合わないわ。辛いわ」って理由で辞めるって事を転々としている間に何も身につかず年齢だけを重ねる…なんて人にはなって欲しくないのです。
勿論、自分のやりたい事に合わないなら辞める事ができる時代かも知れません。でも、次の会社はどうやって探しますか? 給料が良いから? 福利厚生が良いから?
なんて考えているようじゃこの本の真髄は読み取れてません。
あなたが、”何をやりたいか?そしてそれに一番合った環境を探す”為の「気に入らないなら辞める」をホリエモンは提示しているのです。
それに気がつかずに、転々と嫌だからと言う理由で転職をする事は日本どころか世界でも通用しません。これはインターネット時代になっても一緒です。
ある程度、自分の(この本の言い方を使うと)教養があってこそ初めて、この本の生き方が通用するのです。そこを間違えないで欲しいんですよね。
・知らないのは恥ではない
とかのテーマは確かに頭が硬い人には通じる(理解してもらえる)と思います。僕自身は年齢関係なくわからない事はインターネットで下調べをして、有識者に確認をしているので、「まぁ、考える事は一緒だな」的な感想でした。「聞くはいっときの恥、知らぬは一生の恥」の言葉を現代的に表現しているだけです。
ホリエモンは自分の仕事が何かがわからないほど「多動」的に仕事をしている人です。でも、インターネット事業を起業したり、収監時に、「なぜ、自分が捕まったのか?」を歴史をたどって調べて理解し、応用できる人です。
僕の知る限り、ホリエモンはロケット事業に投資していると思います。そう言うちゃんとしたビジョンや夢があって、結果、多動的に生きています。
誰でも多動的に生きれる訳ではありませんが、それは昭和の世界の人には仕方がない点もあると思います。
でも、いろんな生き方がある現代、ぜひ、多動性を出すためには軸となる「手に職」をつけて欲しいなって思うんです。
本書を読んでいると、「話があう、楽しい」人としか付き合ってない堀江貴文が描かれています。
が、逆もまた真。そう言う人と付き合ってホリエモンは楽しいかも知れませんが、ビジネスライクに「堀江貴文は面倒だけれども、利用すれば上手くいく」って考えている人も多いと言う事をお忘れなく。
最後に、この多動力に僕なりのチェックポイントを追加しておきます
□あなたが本当にやりたい事を書き出してみよう。
では、この本を読んで、「ふーん、当たり前の事しか書いてないよね」って思える人間になってほしいと思う今日この頃なのでした。
この本に付箋を貼っているようではホリエモンにはなれませんよ。
追記(2018.3.2) この多動力がマンガになったので、そちらの書評も書いて見ました。