「恋、してますか?」なんて書くと、どこかの映画のキャッチコピーみたいに思われるかもしれないが、42歳・独身の現在、残念ながら恋はしていない。性欲は一応保たれているが、恋(彼女の有無とかではなく片思いでも)はここ数年していないのではないだろうか?悲しいと言えば悲しい事である。
僕の初恋は小学生であったが、その時は性欲と言うものがまだ芽生えておらず、「なんだろうこの不思議な感覚は?」程度であった。まぁ、幼稚園とか小学生の頃の初恋の人とかは大抵居るであろう。テレビとかで女優さんが「初恋の人初公開!」とかの企画でやって「いやいや、幼稚園とかノーカンで!」と思ってしまう奴だ。
本格的な恋をしたのは高校時代である。彼女と言うものが出来て、遠距離であった(距離にして100km。僕が育った北海道は広いのである)。LINEどころか携帯電話もない時代。固定電話で遠距離の長電話をすると電話代が膨大な金額になる。(余談だが、僕がバイトを始めた最初のきっかけは、「電話代位自分で稼げ」と親に言われたからである。)
その時の主な通信手段は手紙であった。ラブレターと言うと何やら恋愛チックな表現であるが、彼女からの近況報告が手書きのイラスト付きで何枚も届いた。あんまり、しょっちゅうは来ないのだが、一回の量が多かったと記憶している。
なんか嬉しかったし、僕の事を思ってくれている人がいると思うと凄い幸せに感じた。
高校を卒業して会社に入るために上京してから、長期間の恋は最初はしていなかったような気がする。最初は同期の女の子が好きだったけれど、僕の同期(親友)と付き合っているのは同期の中では公然の事実だったし、この関係に茶々をいれるのは無粋だと思ったからだ。
ただ、彼女の前で目立ちたかったから、酔っ払って電信柱に上ったような思い出はある。横浜のルミネ前の広場でジャンプしてみたり。目立ちたがり屋はその頃からかも知れない。
若い頃は合コンは先輩が沢山開いてくれた。本当に週に2回位のペースで、だ。徹夜で仕事を終わらせてそのまま合コンに行くなんて事もあった。しかし、その時は女性といちゃいちゃするより、仕事仲間の先輩と飲んでいる方が楽しかった(体育会系のノリで残業しまくりでした)ので、合コンでは先輩の指示通り動くピエロと化していた思い出が強い。(たとえば、「今日、向かいの女の子狙ってるから、お前、その横の女の子の気を引け」とか、場の雰囲気を読まずに(先輩の命令で)「席替えターイム!」とかよくやったものだ。)
合コンや飲み会のエピソードはいくつか書いているが、まだまだストックがあるので時期を見て書こうと思う。
その後、僕が先輩たちと別れ、ちょうど一人前になり始めたころに僕の人生最大の片思いを迎える。まさに、それが恋。
ちょうど月曜の朝礼で自己紹介していたけど僕は目が悪かったのであんまり見えなかった。でも、挨拶しに近くに行った時に恋に落ちた。本当に、刹那、僕は恋に落ちた。一目惚れなんて信じていなかったけれど、まさにそれであった。
その時は自分で言うのもなんだが、若くてイケメンだったので、お客様の女の子に(美人揃い。他のフロアから僕を見にくるほどであった)声をかければ付き合えたと思う。それよりも、僕は片思いを取った。その女の子には遠距離恋愛の彼氏がいたからだ。だから片思いは確定。
でも、自分に納得をいかせる為に告白した。2回した。もちろんダメだったけど。
i-modeと言うものがで始めた事に台風で電車が止まった時に、彼女も一緒に飲み屋に来た。嬉しかった。僕が仕事で飲み会に遅れても、プロジェクトメンバーは彼女の横の席を僕のために開けておいてくれた。数え切れないエピソード。
忘られぬ恋って奴だ。
でも、今では顔も声もボンヤリとしか覚えてない。時は残酷だ。残酷だが、人は忘れる生き物だ。それが良くもある。
六本木とかのセレブのパーティーに行って美女を抱くのは恋ではない。ただの性欲であり、ただの見栄であり、ただの独占欲だ。そこに恋愛感情は存在しない。お金で繋がったワンナイトラブだ。僕はそんなものは求めていない。
一度、出会いカフェで本当の美人と一夜を共にしたが、何も気持ちよくはなかった。彼女は自分を美人と自覚していたから、恋愛感情はお互いに1mmもなかったから。
ちなみに行きつけのBARに気になる子はいるが、それは胸が大きいからだ。恋では無く、性欲。騙されてはいけない。
何歳になっても恋は出来ると思うし、僕もこれからも恋をしていきたいと思う。恋に年齢は関係ない。ただ、分別がつきすぎているだけだ。
だから、生きていくうちになるべく恋はしておきたい。恋は多い方が良い、きっとそうだ。