ピエール瀧さんがコカイン吸引の疑いで逮捕されました。本人も認めているので事実なのでしょう。
ネット民は、「ピエール瀧参加作品が放送できなくなって賠償金大量!!」みたいな感じを受けました。事件を起こした人が参加していた作品が放送不可になるって事でWikipediaで過去の作品を調べたのでしょうか?
つい最近、「3年A組」と言うドラマがやっていました。本当かどうかわからないけれど、罪を犯したと思われる人間をSNSと言う匿名性を元にボロボロにしてやろうぜ!ってな趣旨のドラマです。
今回の件に関しては本人が認めているので、推測による”叩き”では無くて実刑を受けるであろう犯人に対しての”叩き”ですね。
ちょいと前は新井容疑者による事件もあって、「もはや犯罪を起こすと過去の作品も全て放送できないのか?」と言う疑問を持った人も多いのではないでしょうか?
今回は、電気グルーヴと言うピエール瀧さんが所属しているバンドのCD販売停止や、ピエール瀧さんをモデリングしたゲーム「ジャッジメントアイズ(通称:キムタクが如く)」が販売停止になって中古価格が急騰すると言う事が発生しています。
役者と言うのは役に入り込まないといけないし、ピエール瀧さんが暴力とかバイオレンス系の映画をやっていたからと言うのがあるかもしれません。
今回、おぎやはぎさんはバイキングにて「いい人なんだよ。でも、コカインをやってしまったんだよね」と、人格と罪を分けました。これがTVでできる精一杯の感想だったと思います。
麻薬は少なくとも日本ではやってはいけません。犯罪なので罪を償わないといけませんし、麻薬の依存性という点も相まって、再犯の可能性も出てきます。
ラジオ「伊集院光とらじおと」と言う番組で、伊集院光さんは「罪は罪だから償わないといけない。やってはいけないことをやってしまったのだから」と言葉を詰まらせながら話しました。その後「でも、やったら悪いと言う報道だけではダメだと思う。世の中には過去に麻薬をやって依存症になり辞められない人もいる。そう言う人向けの窓口もあるから是非とも相談して見て欲しい」と言う更生を促す物でした。
アルコール(お酒)は今の所日本では規制されていませんが、昔から「酒さえ飲まなければ良い人なのに」と言う言葉があり、依存性のある飲み物です。今でもアルコール依存の更生のために病院や、AA、断酒会などの組織があります。
麻薬はアーティストならやっても良いのか?と言う問いに対して、「日本では無理」としか答えられません。かのビートルズだってLSDをやってましたし他の麻薬もやっていました。ビートルズが日本のバンドだったら、最初にLSDをやった時点でCD回収になって、その後の名曲も生まれなかったでしょう。
Appleのカリスマ、スティーブ・ジョブズだってLSDの経験があります。日本だって覚せい剤をやってから活動再開したアーティストも多いですよね(誰とは言いませんが)
もちろん、当時はヒッピームーブメントというカルチャーもありましたし、「インドに行けば人生観変わるよ」なんて言われていた時代です。今とは違います。
色々な契約があると思いますので、犯罪者が映る映画やドラマを映せないと言う意見もわかります。
でもね、例えば超大御所の名作品も沢山ある俳優が83歳くらいになって末期ガンの痛みを減らすために麻薬をやって捕まったとして過去の作品を全部お蔵入りにさせても良いのでしょうか?
麻薬に手を出す前の作品も放送禁止にするのは「作品」としては不本意だと思います。
だから、もしその時に麻薬に手を出していても「作品」として認められたら僕は放送しても良いと思います。極論ですけれど。
でも、逆なんですよね。
麻薬に手を出した芸能人は比較的早く芸能界に戻ってきます。麻薬と言う再犯の可能性がある薬に対してです。マーシーの本を読むとわかりますが、芸能界にはそう言う金を出せば薬が買えるルートがあります。
なので、復帰してお金が入るとそう言う売人が寄ってくるそうです。
逆に、未成年への淫行は厳しいですね。芸能界復帰はほぼ無理です。でも、これって趣味嗜好の問題であって、精神的依存としては再犯は抑えられると思うんですよね。
僕には芸能界という特殊な”ムラ社会”のルールがいまだにわからなかったりします。どの罪は復帰のチャンスがあって、どの罪は復帰のチャンスが絶望的なのか?
今回、ピエール瀧さんに対して「信じてたのに」と言うより「やっぱりそうなんだ」的な意見があった事が多かった事と、参加している作品があまりにも多くて「これも放送禁止になるの?」と言うアンチテーゼとして、芸人・俳優、女優としてのあり方を考えるキッカケになれば良いと思います。
「罪を悪んで人を悪まず」と言う言葉があります。
しかし、罪は罪なので、償う必要はあります。
今回捕まったコカインは依存性が強いと言われています。もしかしたら芸能界に復帰してもまたコカインの誘惑を感じてしまうかもしれません。それが断てるようになるまで芸能界に戻らないほうが僕が良いと思います。
僕はただ「バカヤロー!信じてたのに!」と言うのでは無く「どうすれば麻薬から脱却できるのか?」と言う点にフィーチャーした方が世の中の麻薬依存の人の為のベストプラクティスになると思っています。
それにしても、事後なので何も言えませんが、残念な事件でした。その収入源が反社に向かっていると思うと日本だけではなくて、世界として取り組む問題だと思っています。
辛いと思う。でも、やってしまった事は無かった事にはできない。ピエール瀧、罪を償ってなんとか依存を断ち切って欲しい。そう願う限りです。