ビートルズの名曲の中の一つに「ゴールデンスランバー 」と言うのがあります。
すごい短い曲。実に1分31秒。でも、この曲はその後メドレー形式で「キャリー・ザット・ウェイト」と言う曲に繋がるから、「あれ?どこまでがゴールデンスランバー?」って思う人がいるかもしれませんね。
この曲、すごい好きなんですよ。
ポール・マッカートニーの甘くても太いシャウトが良くてですね。
歌詞もシンプルなんですけれど、僕にはすごく深く刺さるんです。
Aメロの歌詞をちょっと引用してみます。
Once there was a way to get back homeward
Once there was a way to get back home
Sleep pretty darling do not cry
And I will sing a lullaby
家に帰る道が、昔はあったんだ
自分の居場所に帰る道が、昔はあったんだけれど
って歌詞なんですけれど、これを聴くと「ああ、僕には戻れる道はもう無いんだな」っておもって悲しくなるんです。
人生って、基本的に戻ることってなくて前に進むのみなんですけれど、ちょいと辛い時とか悲しい時って、「昔はよかったな」「あの頃に戻りたいな」みたいに弱音を吐いちゃいたくなるんですよね。
でも、もう45歳。周りのみんなも良いおじさんです。
ちなみに、行きつけのBARのマスターにこの曲を聴いてもらいました。歌詞の内容とかを教えずに。
「良い曲ですね」
マスターは言いました。
その後で、”僕なり”のではなく、そのまんまのネットの和訳を見てもらいました。
「悲しくならない?」って聞くと。
「確かにいい曲ですけれど歌詞からそう言う風には読み取れないですね」と。
僕は言いました。
「それでいいんだよ。この歌詞が沁みるようになったら人生折り返し。B面なんだよ」と。
人生、B面に何があるかは分かりませんが、青春を謳歌できた、バカできた、そんな仲間がいたA面の時代はもう終わったんだよなぁ。と。
僕たち世代は、今、まさにA面を謳歌している人たちに、説教垂れる訳でもなく、ただ道を外さないように支える事が大事なんだな、ってちょっと思ったんです。
おセンチな話になってすいません。
ちなみに、ファンの間のこの曲の捉え方は、”戻れる家、居場所”ってのがビートルズ、”甘い微睡の中で子守唄を歌ってあげる”(って歌詞がサビにあります)ってのはビートルズファンに向けてのラストメッセージとも言われています。「アビーロード」は実質的なビートルズのラストアルバムですからね。
名曲なので、是非聴いてみてはいかがでしょうか?
ビートルズのアルバム「アビーロード」に収録されています。
では。