半沢直樹が終ってしまいましたね。なんか日曜日の楽しみがスポっと抜けてしまったようです。
サザエさん症候群にならないように、ギアを入れ替えないといけませんね。
さて、日曜ドラマ「半沢直樹」は10回を5回ずつに分け1部、2部という構成になっています。僕自身、ドラマ自体は凄い楽しく見れました。最後の「やれーー!大和田ーー!」はグッと来ましたね。
でも、僕の生業であるSEから見ると、第二部には一つだけ現実とギャップがある点があるのです。
第二部の舞台は、伊勢島ホテルと言う老舗ホテルが舞台となります。そこで、二つの問題が起きるのです。一つは、120億の株での損失。もう一つは110億かけたシステム会社に反社会的会社との繋がりがあるのでパーになってしまうと言う問題です。
さて、いきなりですが伊勢島ホテルのモデルと言われている志摩観光ホテルを調べてみました。
母体となる都ホテルズ&リゾーツの2012年度の売上は約430億です。
SEなら知っていて当然、知らない人は知っておいた方がいいのですが、会社がシステムに投資する金額の目安は売上の1%です。たった1%。そんなものなのです。
システム投資は売上の1パーセント 4-5億が妥当と言う訳なのです。110億かけて作るシステム規模と言うのは、正直、舞台となる”銀行”自体の基幹システムに値します。
ちなみに今回作っている途中の予約システムですが今では近所のビジネスホテルでもWeb予約出来る時代です。
インターネットなので言語さえ揃えれば安価で世界予約システムが構築できます。 ドラマでは110億もシステム投資していましたが現役SEの僕としてはそこだけが現実感がなく残念でした。かけてハード込みで1億でしょう。
原作者は元銀行マンですがSEの経験や知識は乏しかったのでしょう。また、バブル当時はまだ、インターネットはなかったのです。残念です。
ちなみにこの売上高で株式投資で120億も溶かすと流石に屋台骨が揺るぎますね。たしかに200億の融資が必要な訳です。
運転資金が無くなるので普通に考えると潰れます。
IR情報をみて見ないとなんとも言えませんが。(ちなみに僕の会社はけっこうでかいので色々な会社情報が見れます。純利益を見たら・・・でした。)
SEはある程度の会計情報も見れないといけません。B/S.P/Lですね。
売上高と言うのはその名の通り、「いくら売ったか」です。ホテルですから、そこから建物の管理費、従業員の給与、ご飯などの原価・・・などがここから引かれます。
それを通常、粗利と呼ぶのですが、引き算して純利益を出します。
でも、今回は120億の株式の損失を出している訳ですよ。
ホテルの本業以外での損益ですので、「今回だけね。」と言う訳で、おそらく特別損失で計上するでしょう。経常利益(ケイツネって読んだりします。)は大丈夫ですから。今回だけですから。と伊勢島のババァは言っているのでしょう。
ちょっと現実に当てはめて考えてみましょう。
給料43万円貰います。その日にウキウキでパチンコしにいって、いきなり12万負けるのです。
まだ、家賃も水道光熱費も一切払っていないのに・・・。って状況。
さらに、11万円でオーダーメイドで作っていた服の店が突然の倒産の危機。給料から天引きされているので、11万パーです。
43-11-12 = 20万。
給料日その日に43万円が20万円になるのです。まだ家賃、水道光熱費も払ってない。ってか食費もかかるのに・・・。そりゃー、20万円貸してくれるって言ったら借りたくなりますな。
そうなってくると、カードの引き落としとかも考えられてきます。
次はキャッシュフローと言うものが出てくる訳です。C/F計算書ですな。会社は黒字なのに倒産してしまう。所謂”黒字倒産”もキャッシュフローが原因になってきます。
結局、会社の体力って現預金なんですよ。株式は資産ですから、例えば1万円の株を1000株持っていれば1000万円の資産ですが、現金化する前に株価暴落で1円になってしまえば、資産は1000円です。
現金を持っている会社が強いと言うのはこういう訳です。
うーん、職業柄、会社の売上高とビジネスモデル(どうやって収益をあげているか?)が気になってしまうんですよね。
第二部は第一部に比べて動く金額が大きいだけに、少々、非現実的な場面も多いですが、良く考えたら、あのドラマ自体、非現実的ですからね。
僕はドラマを純粋に楽しめましたが、実際に当てはめてロールプレイしてみるとそれはそれで楽しかったりします。
ゲスな趣味ですいません。
かしこ。