家系ラーメンが好きでした。
「でした」と過去形で書いているのは、今はそんなに「今日は狂おしいほど家系ラーメンが食べたい!」みたいな気持ちが湧かなくなったからです。年齢のせいもあるかもしれませんが、昔は毎日でも食べたいと思っていた家系ラーメンも「うーん、家系ラーメンも良いけれど、シンプルな醤油ラーメンが食べたいなぁ」みたいな気持ちになってきているんですよね。
同じように僕は二郎系とか二郎インスパイア系は食べませんが、「最高にジャンキーでクレイジーな食べ物だぜ!これを食べないなんてイカれてる!」と二郎系を食べている人もきっと、中華料理屋の醤油ラーメンに回帰するのではないかな?と思っています。
“テレビがついているような街の中華料理屋で、瓶ビール飲みながら餃子と醤油ラーメンを食べる”
結局は、そこに帰ってくるのかもしれませんし、そう言うのを経験してない人は、未知なるゴールとして迎え入れてくれるかもしれませんね。
ラーメンハゲも年老いた
ラーメンとかチャーハンって言うのは、こだわればこだわるほど豪華になるし美味しいのかもしれません。
でも、シンプルに「こういうのいいんだよ」って感じのラーメンとかチャーハンが欲しくなる時もあります。
…と自分が年老いてしまっていることを自分で認識している次第なんですけれどね。
この「こういうのでいいんだよ」は“孤独のグルメ”と言う漫画で有名になりましたが、そのセリフがすごいピタっとハマってると言うか今ならバッチリと理解できるんです。
言ってることはラーメンハゲと一緒
ラーメンだと僕の場合は醤油ラーメン。
なると、めんま、ほうれん草、薄いチャーシュー、黄身が硬いゆで卵。
麺は中太で縮れ麺。
これが僕にとっての「こういうのでいいんだよ」ラーメン。シンプルなんですよね。ちょいと画像をググってみましたが、こんな感じのラーメン。実に良い。
チャーハンだと、具材はネギとチャーシューをサイコロ状に切ったやつのみ(玉子はもちろん必要ですが)
ほかの具材は一切不要って感じですかね?
画像をググってみたんですが、こんな感じがいいですね。醤油ラーメンみたいなスープがついているとベターです。
もちろん五目チャーハンとかも美味しいですし、エビチャーハンとかカニチャーハンも美味しい。
でも、色々と食べ歩いていくと、結局シンプルな奴が一番ってところに戻ってくるような気がします。
今思ったんですけれど「こういうのでいいんだよ」系の料理って中華料理が多いのかもしれません。(まぁ、ラーメンは日本で独自の進化を遂げてますが)
フレンチとかで「こういうのでいいんだよ」ってのは聞いた事ないですね。まぁ僕はそもそもフレンチ食べませんけれど…
なんだかんだ言って日高屋みたいなお店がリーズナブルで「こういうのでいいんだよ」を提供してくれてる感じがします(幸楽苑とかもそうですね)
個人的にバーミヤンは「まだちょっと気取ってるなぁ」って感じですね。すかいらーく系列の店ですが、ガストとかは良いのにバーミヤンにはまだ振り切れてない感じがします。
イタリアンに関してはサイゼリヤが最強ですよね。イタリア人も「こういうのでいいんだよ」って言ってしまうほどの感じ。
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なーんか、美食を追求した結果って、家に帰って母親や奥さんが作ってくれる手料理に行き着くのかな?って思ったりしています。
会食とかで食事のマナーとかクライアントとかに気を遣いながら飲み食いして「なんか疲れたなぁ」って家に帰ってきて、そんな時に寝る前にサクッと食べれる”お茶漬け”。マナーなど気にせず『ずずずずっ!』って音立てながら食べられたりする料理。
そういうのを食べてたら「こういうのでいいんだよ」ではなくて「こういうの”が”いいんだよ」になってくるのかもしれませんね。
グルメを気取っていろんなお店に行くってのは最初は楽しいんですよ。「こんな味、経験したことないなぁ。美味しいなぁ」みたいな経験って大切なのは事実です。でも、それを追求していくと食べ物に”絶対的な正解”がない事に気づくはずです(自分なりの正解は見つかるかもしれませんが…)
それでも、食べ歩きを続けていると…。なんか疲れるんですよね。そう、グルメは”疲れる”んです。
なので、「こういうのでいいんだよ」って店はやっぱりどれだけ美食が広まっていったとしてもきちんと大事な役割を持っていてそう言う店はやっぱり残り続いていくんだなって思ったりしました。