東京と言えば渋谷・原宿、新宿、池袋。そんなイメージはないだろうか?勿論関東に住んでいる人にしてみれば「もっと良いところある」となるのだろうが、地方出身者がイメージする東京ってのはそう言う場所だと思う。
少なくとも僕が北海道の田舎に住んでいる時はそうだった。
さて、仕事で上京してから四半世紀が経つ。
しかし、渋谷に行った回数はおそらく10回〜20回程度だ。
基本的に上京と言っても神奈川にずっと住んでいるので、横浜、川崎、藤沢がホームタウンだった。
京王線に繋がっている駅に住んでいた時は新宿もホームタウンだ。
しかし、驚くほど渋谷と言う場所には縁がない。
まず、目的がないと行く街ではない。
ちょっと渋谷でもブラブラしようか?ーなんて事は考えた事がない。センター街って言う地名は言葉では聞いたことがあるがどこからどこまでをセンター街と言うのかは知らない。
僕は音楽が好きだったので、バンドのライブ会場として渋谷には行っていた。とにかくライブハウスは渋谷に集中していたのだ。
それ以外はからっきしだ。渋谷で飲み会があった事は記憶するに1回だけだし、眼鏡(オリバーピープルズ)を買いに行ったのも一番近い販売店が渋谷にしかなかったからだ。
あ、これを書いていてまだスマホになる前の時代に携帯(ガラケー)を買いに行った事も思い出した。でも、その位だ。
渋谷の地理は全く解らない。
どこに美味しい店があるのかも知らない。宇田川も知らないし、道玄坂も知らない。僕は渋谷と言う街を驚くほど知らない。
僕が上京した時に渋谷系なる音楽が流行ったが別にそれはCDで聞いただけであって渋谷まで足を運んで肌で感じたものではない。
渋谷は若い人が行く街ってのがあったしサラリーマンがスーツを着て行くような街ではなかったんだと勝手に思ってた。
ただ、集団行動ってバンドを聞いた時、そしてそのバンドのライブを観に渋谷に行った時に「この音楽は渋谷の空気感だな」なんて思った。
何を持って渋谷の空気感だなんて言えるのか全く解らない。
解らないから渋谷の空気感なのだ。
新宿や新橋や神田、秋葉原の空気感はわかる。
所謂オフィス街の空気はわかる。あとはサラリーマンの喧騒の空気感もわかる。
でも、渋谷の空気感は解らない。僕は、きっと感じた事のない音楽に対して、”感じた事のない場所への憧れ”を空気感としてパッケージしたんだと思う。
ふとそんな事を思った。