はじめに ー パチにおけるYoutube出身の演者とライター出身の演者
いきなりですがYoutubeの出現(厳密に言うとYoutubeによる収益モデルの確立)によってテレビが無くても演者が無名でもパチンコ・パチスロの動画を撮って公開できるようになりました。
テレビ(CSですが)時代から…と言うか攻略雑誌のライターから出ていた演者もいますし、”ゲリラ戦”と言いますか、無名でも色々と試行錯誤してYoutubeで有名になった演者もいますね。
パチンコの疑似体験を味わえる動画
パチンコ・パチスロってのはとんでもなくお金が飲まれていくので、「昔は打ってたけれど、今は家族もいるしそう言うギャンブルできないよなぁ」っていう人も「ほほう、今の台はこんな感じになっているのか」とYoutubeを見ながら疑似体験する事ができます。
基本的にギャンブラーってのは性格が悪いので、大抵『大負け』する動画ってのは楽しく見られるのではないでしょうか?何せ自分のお金じゃないですからね。「他人の大負けでメシウマ」って奴です。
とは言え負け続けていたら「絶対負けるから打ちに行かない」って人も出てきますし、そもそもギャンブルと言うのは”勝てる可能性”を与えないといけないので、そう言う「一撃xxxx枚!」とかそう言う大勝ちの回を作る(と言うか何回も打ってれば流石にいつか勝ちますよね)と「おぉ、この台は飲み込みも激しいけれどリターンも大きいのだな」と言う「たまには打ちに行くか!」と言う人も出てくると思います。
Youtubeではまだまだベテラン演者は育ってない?
ってー事で、参入障壁が低いパチンコ・パチスロ系Youtuberって人々は増えてます。但し正直飽きられるのも早いってのはYoutube界の理。人気の打ち手さんもちょっとしたミス(口が悪いとかSNSとかファンの対応が悪いとか)で一気に人気失いますからね。大変な業界だと思います。
まぁ、パチンコ・パチスロは負けても一日最大20万円くらいなので、製作費は編集にどこまでお金をかけるかだけで動画を作ることは可能です。作るのはクオリティーをあんまり考えなければ誰でも参入できるんです。
しかし、いつ人気が出るかもわからない動画を作り続けるってのはパチンコよりも大変なギャンブルでしょう。負け続ければダイレクトに赤字になりますからね。
Youtuberとしての演者は、他のYoutuberと一緒で基本的に”Youtubeの檻”からは出ることが出来ないですから。収益停止の危険性も孕んでますしね。本当にリスキーです。
まだ(雑誌の)ライターさんの方が色々と出来ると思います。ただ、やはり古参のライター演者さんも最近の台には辟易している模様でそうなってくると見てる方も辛くなってきますね…。
(本当にパチンコ好きな)芸人xYoutubeの登場
2021年の春。コロナの影響もありみんながギスギスしている時代。
そんな中に、本当にギャンブルが大好きな芸人2人による『パチンコ・パチスロ動画』が爆誕しました。
その名も”くずパチ”
演者はクズ芸人こと、空気階段・鈴木もぐらさんとピン芸人の岡野陽一さんのコンビ。
運営は、”新!王庭チャンネル”を持つガーデングループと言うパチンコ系列店により行われております。
更新は毎週金曜の深夜。金曜の深夜か土曜の朝に見て、そのまま「よし、土曜は休みだし、パチンコ屋に行くか!」って思わせる導線としては完璧です。
銀河系最強くず芸人
まぁ、お笑い芸人もパチンコ・パチスロ動画はやっているでしょう。本当に好きな人もいますし”仕事”としてしている人も多いでしょう。TVでは「今夜もドル箱」って番組もやってましたからね。あと、昔の芸人は”パチンコ屋の営業の仕事”は定番だったようです。
しかし、鈴木もぐらさん、岡野陽一さんは”ガチ”なんです。
ガチでギャンブルが好き。知識は豊富にある。本当に楽しそうに打ちますし、出なくてもそこは”芸人”。必ず撮れ高を出してくれます。そこは本当にプロの芸人だなぁーって思わせてくれますね。
バックボーンがガチ
まあ、大多数の売れない芸人は大抵、バイトで貰った給料だけでは生活できずにそれを増やすためにギャンブルに手を出します。今の若い芸人がパチンコをやっているかはよくわかりませんが、鈴木もぐらさんとか岡野陽一さんの年代の人はかなり”ガチ”でやっていたのではないでしょうか?
鈴木もぐらさんは、大学(大阪芸術大学)の学費をパチスロで勝ったお金から捻出しており、当時のパチスロが”射倖心を煽る”と言う事で規制が入った際(4号機から5号機への転換時だと思われます)に鈴木もぐらさんも「(規制後の新規準の台では)勝てなく」なってしまい、学費を払えず大学を除籍になっております。(本人曰く「日本の法規制のおかげで大学に居られなくなった」との事)
岡野さんは京都産業大学と言う大学に行っております(中退)、学生ローンを借りておりそのお金でガンガンとパチンコをやっていたのですが、負けが続いた挙句、借金額が膨れ上がり業者から「これ以上借りたらもう人生終わりやで」と諭され、その日を機に”真剣にパチンコをやり出した”そうです。普通逆でしょ!って感じですが、その根性が半端ないですね。今はピン芸人(昔は巨匠というコンビでした)ですがネタの中に「パチンコの仕組みを小学生に教えるおじさん」なんていう凄いのを持っていたりしますからね。
この二人の相乗効果、半端ないです。鈴木もぐらさんは「太った小冊子」と言う異名を持つくらいに「この場合の期待度はxx%」とか正確に数字を出します。もうおかしいよ、その記憶力。岡野陽一さんも土下座に1ミリの躊躇もありません。まさに”くずの極み”。
お二人とも言い方は失礼かもしれませんが、最近スロットを始めた人ではなくて、”4号機時代”を実体験している人であります。この時代を知っている人が今の台をやるってのは実は凄い事です。5号機から始めた演者(年齢的に仕方ないと思いますが)が夢に見るまで打ちたい「ガチ4号機」。スロットゲーセンとかだと出来ると思いますが、こればっかりは無理な世界ですからね。
ちなみに鈴木もぐらさん、岡野陽一さん、オズワルド伊藤さん…。躊躇なくマッハで土下座ができる芸人さんたちが最近増えております。ここまでくれば「逆に土下座にプライドを持っている」位の”プロ・土下座師”達ですね。
編集能力がガチ
あと、この”くずパチ”は動画編集力にも定評があります。簡単に言うと「編集がプロ」なんです。僕も趣味でYoutubeとかの動画を編集した事があるんですけれど、かなり大変でした。テロップを出すタイミングやエフェクトが”コンマx秒”の世界なんですよ。それがずれると面白くなくなる。初心者とか片手間で出来る世界ではないです。第一回から見ていますがかなりのクオリティーで始まったので、かなりの熟練者が最初から参加していると思われます。
よほどの愛があってやっているか、”プロ”とのしての力(誇り)があるのでしょうね。本当に凄い。演者の動画を全く(1秒も)飽きさせる事なく「あれ?もう終わったの?次が楽しみ!」と思わせる腕を持っています。
このクオリティーを毎週出せるのは……。正直凄いです。何人でやっているかわかりませんし(一応、番組上は”まっしゅ”さんと”佐藤”さん(トマシン)と言う名前は出てきます)、かなりの費用がかかっているのでは?と思ってしまいます。しかし最強コンテンツを活かす為には最初からこのクオリティーが必要だったのでしょうね。
正直、初回から手探り感を全く感じずに進んでいくってのはかなりの能力が必要ですからね。
おわりに
2022年8月、”くずパチ”が始まってから1年以上経っております。
その間に、新!王庭チャンネルの登録者数は20.3万人となっております(もちろん、このチャンネルには”くずパチ”以外の動画も沢山上がっております)
おそらく、この1年で15万人位登録者数が増えている計算です。おそらくこの15万人の大多数は”くずパチ”によって集客されたのでは?と思っております。”くずパチ”のコメント欄には「”くずパチ”だけで独立してください!」と言うもので溢れておりますが、さすがにそれは運営としては厳しいでしょうね。ガーデングループとしては、”くずパチ”はキラーコンテンツですが、他の演者も育てないと厳しいですからね。
2022年8月18日現在
ちなみに鈴木もぐらさんはご結婚されているのですが、「プライベートでパチンコ・パチスロをやったら即離婚」と言われており、『”仕事”としてのパチンコ・パチスロ』しか出来ません。ガチです。(空気階段のラジオでもたまにタレコミ情報が入ってます)
たまに、どちらかが不在の時にゲストが来るのですが、やはりパンチに欠ける。鈴木もぐらさん岡野陽一さんの二人だからいいんでしょうね。
空気階段は2021年のキングオブコント王者であり、仕事もどんどん増えております。しかしこの”くずパチ”はできる限り(コントライブの時期とかを避けて)参加しております。この番組が楽しすぎて声を出しすぎて喉を壊してしまい仕事に支障をきたすほど。
どれだけ売れようとも、”くずパチ”は続いてほしいですね。