突然だが、クズ芸人って言うのは多数いるけれど、大抵(女関係や暴力ではない)金銭的なクズ芸人はとにかく”天才”なんじゃないかな?って思う。
岡野陽一。1981年11月29日生まれ。173cm、B型。
人力舎所属。元”巨匠”と言うコンビのブレイン。巨匠時代にはキングオブコント第7回、第8回のファイナリストである。”巨匠”は相方がネギを扱った料理人になりたいと言う事で解散。
年から年中”コント”の事を考えているコント師、東京03飯塚(人力舎所属)から、「岡野は天才なのにネタを書かない。俺がもう小屋抑えるから(締切作るから)、単独をやれ」と言われて草月ホールを押さえてもらうほどの人間。
草月ホールはキャパ526人。お笑い芸人なら憧れる場所の一つであろう。
決して”ロフトプラスワン”ではない。
そして、そのチケットを完売させ、オンライン配信も延長するほどの実力者。
僕はこの人がとんでもない天才なのではないか?と思う。
時代が時代なら何か大きな事を成し遂げる事ができた人間だと思っている。
岡野陽一は学生時代に彼女とデートした時にパチンコと出会う。意外にもパチンコに誘ったのは彼女の方だそうだ。彼女の両親がパチンコ大好きだったからその流れの模様。その時に負けた金額を取り戻すためにギャンブルの世界に突入する。
大学には行ったが、1単位も取らずにパチンコ・パチスロの毎日。
当時は学生ローン(消費者金融)の審査が緩く簡単に借りれた時代だったので馬鹿みたいに打ちまくってたらしい。
そしてこれ以上借りたら人生終わると金貸しさんに言われてから”本気を出してパチンコを攻略”し見事に当時の借金を完済したそうだ。世代的に過払金の対象ではないだろうか?
その後、たまにバイトはしていたが、基本的に、債権者様に生かされている。債権者様とは信用で繋がっており、大口(100万円以上)のある債権者様に”木曜日”を担保として提供している。
借りて返してを繰り返しているが、それが芸人としてダイレクトに直結しているのが凄い。これが消費者金融だったら利息で人生終了しているはずだ。
単発でオールナイトニッポンの担当をした時にはニッポン放送に債権者様3人を呼んで、その債権者様が好きな曲をラジオで流すという荒技を行った。利息などはないが、こういう芸人のメリットを最大限に債権者様のために使うという点が凄い。
ちなみに、岡野陽一は長男なのだが、あまりにもクズであるために家族会議によって次男に格下げされたそうだ。おそらく岡野陽一さんを育てた家庭環境が”お笑いのエリート”だったのかもしれない。
僕が岡野陽一さんを”本物だ”と思ったのは下記のWebコラム。
(前略)そう冒頭の京都のガンジーの手法、セルフマインドコントロールだ。
自分の脳を完全に騙す危険な技だが、これを習得すれば大概の事は大丈夫だ。僕も、毎日借金と向き合うと、精神に異常をきたしそうなので、自分の家の中にいる時は、セルフマインドコントロールによって、借金が一切ない人間として暮らさせて貰っているお陰で、明るく暮らせている。
バカみたいな話だがこれが大事なのだ。
日常生活において、ストレスとなる相手や、事実を取り除いたり、変えたりするのは非常に難しい。
なので、脳をいじって自分の考え方を変えるのである。ーQJWebより引用
これを習得できた人間は本当に強い。
岡野陽一も正常な精神を持っている人間だ。
岡野陽一もやはり色々なものに襲われているのだ。借金だったり、ストレスだったり。
「ふとした時に訪れる漠然とした不安感」
これに陥ると人間は脆い。
”セルフマインドコントロール”。洗脳みたいな表現なのであまり好きではないが、僕はエンジニアなので僕なりの言葉を使うと”脳に対して意図的にバグを起こさせる”と言う表現になる。
ライフハック?ブレインハック?
そんなものではない。生産性が上がろうが効率が良くなろうが所詮は自己啓発。「漠然とした不安感」には勝てない。
ちなみに僕は「自分の人生の過去のifを考えようとすると真っ暗になる。おそらくその道を選んでいたら今の僕は死んでいるだろう」と言うバグを仕込み済みである。
セルフマインドコントロールには無限の可能性があるのはお分かり頂けただろうか。
ただこんな便利なSMCは誰にも迷惑をかけない代わりに、ひとつだけ欠点がある。事態は何も変わらないって事だ。
皆様もいくら便利だからといってSMCのやり過ぎには注意して欲しい。ーQJWebより引用
事態は変わらないかもしれないが、最悪の選択肢を取ることはないだろう。
ちなみに現在交際している女性はタワーマンションに住んでいる為、タワマン住まいということになる。おそらく家賃は女性持ち。ある番組でその事実が暴露された時に「タワマンなんてそんないいものではございません。他の人よりも早く天気がわかるくらいです」と言うセンス抜群の返しをしている。
2022年、キングオブコントに岡野陽一が帰ってくる。同じ人力舎所属のピン芸人”吉住”と即席ユニットを作って参戦。コンビ名は『最高の人間』
ネタは一切見ていないが決勝には行くだろうと言う予感した。直感というやつだ。
ちなみにキングオブコントはM-1と同じで一年中ネタの事を考えている人でも決勝に行くことは極めて難しい。2021年にチョコレートプラネットとシソンヌが即席ユニットを作ったが決勝には行かなかった。即席ユニットを作ってちょっと考えただけで決勝に行けるほど甘い世界ではない。
ただ、僕は信じていた。
だって、クズ芸人のコンビ名が『最高の人間』だもの。
世の中から見ればクズ人間かもしれないが、岡野陽一は”最高の人間”なのである。評価軸が違うだけだ。
結果、無事『最高の人間』は決勝に残ることができた。ただ優勝となるとどうだろう?
岡野陽一に大金を渡すと債権者様との縁が切れてしまう可能性がある。そう”お笑い芸人”としてブレイクする可能性があるからだ。
その岡野陽一も好きだが、僕は”クズ芸人”の岡野陽一を見続けたい気持ちもある。
僕の脳は「過去のif」に関しては封印したが、「未来のif」に関しては封印していない。
兎にも角にも人生の楽しみができた。