過去(昭和時代)、お茶くみと言う仕事がありました。主に女性が行う仕事で上司や同僚、来客者などにお茶(もちろんコーヒーとかも含みます)を出す……実に昭和なお仕事でしたし思いっきり男女差別のようなお仕事。
今でも喫煙者であれば『喫煙所(たばこ部屋)トーク』なるものがありますが、当時はお茶を入れる場所である『給湯室トーク』なるものが存在しました。ネットも何も無い時代、社内の情報(誰が次に昇進するとか誰と誰が社内恋愛しているか?など)は、『給湯室』で伝播していました。インターネットよりも速い速度で伝播する世界(比喩ですよ)
今ではさっぱりとそう言う”仕事”は無くなったと思っております(秘書の方の仕事の一環にはあるかもしれませんが、部署内の男性のためのお茶くみは完全に無くなっていると思っています)
さて、平成・令和になってくるとそう言う文化は真逆に進化して『お菓子配りおじさん』が登場します。
別に下心があるわけではないと思うのですが、会社内(部署内)で定時後や休日出勤時などにチョコレートや飴を配る人の事をさしてます。割合を調べたことはありませんが主におじさんが多いです。
それ自体素晴らしい心がけだと思います(基本的には配る対象は男女問わずですが、男性だけの時は配らないケースが……深くは書きません)
まぁ、トラブル対応や提案書作成で仕事が徹夜になりそうな際には上司や営業さんが栄養ドリンクとかお菓子を差し入れてくれるのも(今はどうかわかりませんが)時代的にはありましたしね。
この行為を好意的に考えると、
・思いやりがある
・気配りがしっかりしている
・周りのことを気にしてくれている
・ちょっとした仕事の悩みなどを話すきっかけになる
となりますね。
それだけならまったく問題はありませんし、積極的に行うべき事だと思います。
でも、それって別に「自分の仕事(会社の仕事に対する付加価値)」では無いんですよね。
お菓子くれるのは嬉しいですけれど「『みんながお菓子を配らないから俺が自腹を切って配ってる』事に自分の存在意義を感じる」人がいたりするんです。
おそらく食べる側からしたら”お菓子があるから食べる”ってだけなんですよね。
「あの人がいないからお菓子が食べられない、困る!」とはならないと思うんですよ。そもそもお腹が空いたら自分で食べたいものを買いに行くのが今の時代です。
さらに性格によっては「恩着せがましい」と思ったり「別に食べたくない」という感想を持つ人もいると思うんです。
それだったら、仕事を手伝ったり悩んでいるところの相談に乗った方が良いと個人的には思っております。そもそも仕事が早く終われば残業しなくてすみますからね。
まぁ、定時後にご飯(主にお酒)を奢ってくれる先輩ってのは金銭的に助かりますし愚痴も話せるので楽しいです。僕も先輩にはお世話になりましたし、コロナ禍になる前には僕も後輩に対してはそう接していました。ただ、これは異性と1対1というのはちょっと難しいですね(誤解される可能性が極めて高いので)。
でも、飴1個(極論ですいません。単価とか言う意味では無く)で存在意義を誇られても……って思ってしまいます。
なお、プロジェクトによっては『共有お菓子箱』みたいなのを設置したりするケースもあります。誰彼問わずお菓子箱が空になりそうになってたら補充する……みたいなのを置いたりもしました。これに関しては好きな人が好きな時に食べて好きな時に補充すると言うものなので、別に「恩着せがましい」とかそう言うのが無かったですね。
リモートワークが増えてきて直接コミュニケーションを取ることが難しい時代ですので、たしかに出社したらお菓子配りによって接点が生まれるとか言うのは嬉しいかも知れませんが、まぁ「先週旅行してきて珍しいお菓子があったからよろしければどうぞ……」的な感じがバランス良いと思います。
あと、お菓子配りおじさん、もし好意がある人がいてそのカモフラージュを込めてみんなにお菓子を配っていたとしたら振り向いてくれる可能性は無いパーですよ!ってお話でした。