テレビの番組ってドラマは1クール(四半期)単位、バラエティーの深夜枠とかの番組は数年の単位で入れ替わり新番組が出ますよね。やはりテレビは視聴率というのが大事でして”打ち切り”になったら次の番組をやるわけです。(ドラマでも視聴率が悪すぎると切り上げて早く終わったりするケースもあるそうです)
特にお笑い番組とかバラエティの新番組は「どんな風になるんだろう?」って思ったりします。ドラマが脚本と役者で期待値が変わってくるのと同じく、お笑い番組もMCの芸人で期待値が変わって来ます。
こういうのって実は実験版を日曜のお昼あたりに流してたりします。日テレやテレ朝、テレビ東京は日曜のお昼、TBSやフジテレビは深夜帯にやったりしているイメージが強いです。とにかく土日のPMはレギュラーが固定していないイメージがある時間帯ですから差し込みやすいんだと思います。深夜はまぁ、自由にって感じで。
厳密な定義は難しいのですけれどこう言うのを”パイロット版”と言ったりするそうです。
最近、日曜日の午後にぼんやりと日テレを見てたら「え?こんな豪華なメンバーでこんな面白い企画やってるの?」とかいう番組が流れてたりします。でも次の週には全然別の番組になっていたり。
新番組を立ち上げて「いざ初収録!」という時に番組のプロデューサーやディレクターが「こう言う風な番組を作りたいんだ!」と思っている番組のイメージがあると思うんですけれど、その思いをきちんと理解してその通りに成立させる芸人が起用されたりするそうです。
そういう芸人さんは”企画成立屋”と呼ばれていたりして本当に実力があって場の空気を読んで適切に場を回すという力がある本当に頼りになる芸人さんだそうです。それにしてもかっこいい名前ですね。
例えば、過去からですが、
・バナナマン(場合によってはおぎやはぎ)
・劇団ひとり
・有吉弘行
・ケンドーコバヤシ
・川島明(麒麟)
・吉村崇(平成ノブシコブシ)
・小峠英二(バイきんぐ)
さんあたりでしょうか?
もっと先に遡れば、きっと
・ダチョウ倶楽部
・極楽とんぼ
・ナインティーナイン
などのレジェンドも企画成立屋だったのではないでしょうか?
最新では
・オードリー
・千鳥
に任せておけば間違いないと思います。
企画成立屋はプロデューサー、ディレクターの意図を完全に汲み取ってパイロット版を作成します。
勿論、そもそもの企画が跳ねないような内容ならいくら企画成立屋でも面白くならない場合があると思います。
まぁそういう場合は普通にお蔵入りですよね。新番組で低視聴率を叩き続けるより、一旦お蔵入りさせて別の企画を考えた方が良いんですからね。
企画成立屋はテレビ局員(ディレクターやプロデューサー)だけではなく、同じ芸人さんからも信頼されているそうです。もちろん才能のぶつかり合いになるので覚悟は必要だと思いますけれど「あぁ次の現場は○○さん(芸人さん)と一緒か。なら安心だ」みたいに思ってもらえるそうです。
たとえば、TBSの朝の情報番組である『ラヴィット!』は麒麟の川島さんがメインMCです。川島さんも企画成立屋として有名なので、いろんな暴れそうな芸人さんとかテレビをまだそんなにわかっていない若手の芸人さんが出てきても大きな放送事故にならずに済んでいるのではないでしょうか?
現在の朝の生放送は、
日テレ・スッキリ!(2023年3月で終了):極楽とんぼ加藤浩次
フジテレビ・ノンストップ:バナナマン設楽統
TBS・ラヴィット:麒麟川島明
となっております。
各番組とも報道寄りだったり完全にバラエティーに振ってたりと毛色は違いますけれど、企画成立のプロたちですからね。歴戦の猛者とでも言いましょうか。
なので、4月からの日テレの南海キャンディーズ山里亮太さんには一抹の不安が…。
あとは僕が好きなアルコアンドピースさんが企画成立屋になれるまで一定水準の場回しができるようになってくれれば…
しかし企画成立屋ってのは若手すぎると経験がないだろうしベテランだとスケジュールが取れなかったり…とその期間はそんなに長くないのかもしれません。ずっと企画成立屋をやっているような芸人さんは「もっと上に行こう!」と言う向上心がないか、そもそも実力がそこまでないのかもしれません。
場数とセンス、空気を読む力。全てを持っていないと企画成立屋はできないでしょう。そう言う意味では企画成立屋として認められると将来は安泰!と(少なくともテレビ業界では)なるのかもしれませんね。
今後も若手で企画成立屋は増えてくると思います。個の力だけではなくて協調力も大事になってくるので、芸人さんをそう言う観点で見てみるのも面白いかもしれませんね。