先日、少々用事があって(買い物)横浜に行く事になった。久々の横浜の街の作りは何も変わっていなかった。本来、横浜は元々複雑な街の作りをしている。
川を渡ってビブレがあって…そのメインストリートを真っ直ぐ行くと東急ハンズがある。いや、昔はあった。ハンズはもうない。
ちなみに、昭和の横浜のランドマークであったハマボウルもとっくにない。サザンオールスターズの曲でかっこよく歌われている横浜はもう無い。
平成19年かぁ。
その反面、意外な店が驚くほど残っている。
駅前に古き良き店が平然と残ってたのは驚きを隠せない。とても令和の時代で営業していける訳が無いような店たち。これは個人的には嬉しい事だ。
(相鉄側の奥のエロ本の本屋が残っているのには驚いた)
相鉄改札側の交番の前の立ち食い蕎麦は健在。こういうのは嬉しい。
しかしハマボウルや東急ハンズと言うランドマークとなるような場所がほとんど無くなってしまった横浜はややパンチに欠けるのも事実。それでいながら、昭和の細々とした店たちは駅前にまだ残っている。経営の観点として実にあり得ない業態が横浜には残っている。悪い意味での昭和なのだ。
僕が今感じた横浜(西口)のイメージは全体的に『汚い』。それに尽きる。
本当に(行ったことは無いが)中国の雑多な街並みみたいなイメージと言うか空気を感じた。
散々無法地帯と言われている川崎を拠点にしている僕が思うほどだ。これには驚きを隠せなかった。歩いている若者たちはどことなく新大久保を歩く若者と重なる。偏見でしかないが。
率直に言うと今の横浜は特に増改築していないので”居抜きでダウングレード”している感じが否めない。ならせめてハンズの建物は残して欲しかったがハンズは『中2階』みたいな複雑な作りをしているので無理だったのかも知れない。
あと中は覗いていないがパチンコ屋が3店舗並んで存在していた。このパチンコ屋が閉店ラッシュを迎えているのにもかかわらず、だ。
今の横浜(駅の周辺)には時間をかけて移動して並んでも食べたいような『おしゃれなご飯屋』はもう無いのではなかろうか?
少なくとも女性とデートするような事があっても今は横浜を選択肢に入れることは無いと思う。
昔はデートで横浜のオシャレな喫茶店に入っていた。
確かに今思うと横浜というのは掴みどころがない街のような気がする。元町・中華街みたいな明確な感じもしないし、新宿のような雑多な街を比較するとスケールが小さすぎる。最初からイメージが悪い川崎の方が頑張っていると思う。川崎ならラゾーナにしかいかないという選択肢も十分可能だ。
また、横浜には風俗街がない。そういうのは伊勢佐木・黄金町に集中しているからだ。そういう意味でも横浜ってのは『ブランド』の上に成り立っていたのではないか?と邪推する。
僕が上京したての頃に毎日のように遊んでた横浜駅。
ダイアモンド地下街にも沢山の思い出があった。
その思い出がなんか壊れてしまったような気がして…それは再開発により「懐かしい街並みが無くなってしまった。近代的になってしまった」と言うノスタルジックな感想ではなくて「薄汚れてしまった」と…そんな気がしてならない。
うーん、見なきゃ良かったなって言う印象が強く残ってしまった。
思い出の中では輝いていた横浜。
あれから30年くらい経ってしまったんだけれど、なんていうか『過去の栄光に縋っている』気がして。
若い頃にかっこ良かった人に同窓会などで何十年後に会った時、加齢と共に太って頭も禿げ上がってしまっているのに「若い頃はさぁ…」と過去の栄光を延々と言い続けている残念な人。そんな感情を思ってしまった。