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「なぜ?」と言う質問にはきっと解答は無い

システムエンジニアと言う仕事を30年もやっていると色々なトラブルに直面します。僕が原因の時ももちろんありますが、プロジェクトとして複数の要因が重なりトラブルになるケースがほとんどです。

で、トラブルになると対策として別の部署のマネージャーが来たり、もっと職制が上の人が陣頭指揮に入ることが多々あります。ちなみに僕はプレーヤーとして火消しに参加することが多いです。

その際に「なんでこう言うことになったの?」とトラブルの現場の人に叱責する場面って結構あるんですけれど毎回「それが分かれば苦労しないよ」と心の中で思っているのです。我ながら卑屈ですね。

Sensei okoru

多分、すぐに出てくるような回答だと本質では無いんだと思います。
例えば、「なんでこんなミスをしたんだ!」と言われて「ドキュメントの確認を怠っていました」と回答したとしましょう。実際にドキュメントチェックを疎かにしてそのまま実装してしまった結果システムとして矛盾などが起きて結果トラブルになるケースは驚くほど多いです。

そこで「じゃ、次からはドキュメントをちゃんと確認しろよな!」で済むケースってほとんどないのでは無いかな?と。大抵は「なんで確認しなかったの?」と言う追加質問になると思います。それに対し「時間がありませんでした」みたいな回答をすると「時間がないのは理由にならない。時間がなければリソースを増やすとか対策できたはずだ。なぜそう言うことをしなかったのだ!」となったりするんです。

結局、問い詰められたところで「(時間がなかったりサボったりして)ドキュメントの確認をしなかった」と言う事実しかありませんし、そもそもドキュメントの確認をしなかった事をリスクと考える事ができない時点で対策なんて打てないんですよ。極論ですが。

結局、問い詰められ続けて「申し訳ありません。以後、このような事が無いようにします」みたいに謝る形で終了するんですよね。

「なんで?」との問いに「すいません」では回答になってないんですよね。
って事で個人的にはあまりそういうミスとかに対して「なんで?」と言う問いかけはしないようにしています。「さて、どうやって建て直そうか」と言う話からさりげなく整理するようにしています。(大抵はルール化されていないとか、ドキュメント化されていないと言う点が多いです)

高圧的な上司のほどそう言う意地悪とも思える質問をするような気がしています。
そもそも解答がないような事象に「なぜ?」を繰り返されるとメンタルがやられます。鋼のメンタルな人ならいいでしょうが、メンタルが弱い人は自分がどんどんと無能であるという植え付けをさせられてしまうのでないでしょうか?

もちろん、組織としては反省しないで毎回トラブルを連発されると困るので原因の分析を行う事は重要です。
例えばトヨタとかは『なぜなぜ分析』という方法を採用しているそうです。同じ質問を5回繰り返して深堀りするというもので本質的原因を調べるのに使われたりしています。

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こんなのです。

ただしこれは組織として行うものであり、個人に対して使うものではないんですよね。僕の会社には品質保証部門という専門部隊がいますので、その部門に任せるのが一番です。組織だとトラブルを起こした部署に社内第三者機関として品質保証部門に見てもらうのが一番ですし、『なぜなぜ分析』は偉い人が行うのではなくて、知見が多い部門が行うのが良いと思っています。

後、『あるある分析』は事象と本質的原因がかけ離れすぎている結果が出る場合があり、それを理解するのが難しい人も多々いると思います。

例えば「夜間処理が異常終了してその後の処理が行われるオンライン開放できなかった」みたいなトラブルを『あるある分析』した結果が「常にサーバーのディスク容量を一定量確保すること」みたいな事になったら正直「?」でしょう。(ちょっとこれは分析の仕方が間違った例かもしれません)

まぁ、システムエンジニアとしてトラブルの本質的原因としては『圧倒的に予算が足りない』って言う点に尽きるのではないかな?なんて言う皮肉で〆させていただきます。

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