休日は1人で散歩することが多い。独身のおじさんになかなか趣味は無いものである。
だが僕は耳でラジオを聴きながらだらだら散歩をするのが好きだ。
おじさんになっても比較的足腰にガタが来ていないのは昔から散歩してたのが功を奏しているのかもしれない。
さて散歩なのだがこれは2パターンに分かれると思う。ある程度のコースを作ってひたすら歩くパターンと一定の街をぐるぐる回るパターン。
長距離の散歩コースは好きなのだが天候が不安定な時は非常に厳しい。一定の街なら雨が降れば雨宿りが出来る。
僕が好んで散歩する川崎は地下を使えば雨に濡れずに移動することもある程度出来る。
さて1人での長時間散歩になると1つの課題あるいは目標が出来る。
それは“食事”だ。
勿論、有名店目当てで行くのも良いと思うが比較的大きな街で商業施設がある場合フードコートは選択肢として良いと思う。
– フードコート –
なにしろ雑多な感じが良い。
嫌いな人には合わないので“絶対“は無いけれど好きな人も案外多いのではなかろうか？
さっきまで1人でストイックに散歩していたのにフードコートで食事をするといきなり“色々な人の人生“を見ることが出来る。
このギャップがなんとなく心地よい。
さてそんなフードコート。
1人で来た時には席の確保がポイントなのだが海外とかはどうなんだろう？
何かを置いて場所取りしたら片っ端から持っていかれるのではないか？
何か『席確保してますよ』と言うシンボルがあれば良いのに…。
今日は散歩中に目的もなく古本屋で買ったエッセイ本を置くことで席を確保する事にした。
フードコートには家族連れもいるしカップルも居る。子供がどれだけ騒いでも良いしカップルが見つめ合って仲良くゆっくり食べても良い。
ここは図書館でも電車内でもない。
どちらかと言えば公園に近いのではなかろうか？
『食』の名の元に色々な人が集まる……実に良いでは無いか。
ファミレスなどより色々な種類のお店があるので食べ物で喧嘩する事も少ないかも知れない。
フードコートは基本的に高級料理は無い。でも和洋折衷好きなものを選ぶことが出来る。それが良いのでは無いか。
ラーメン食べたい人と天ぷら定食が食べたい人がいても解決できる場所、それがフードコートだ。
1人で食べてても別に孤独を感じることはない。逆に実にコンビニエンスな『孤独のグルメ』を味わう事が出来る。
他の人が食べているメニューを見て「こんなのもあるのか！」が簡単に出来るのでオススメである。
ちなみに多くのフードコートは水は無料だ。飲みたい時に飲めれば良いシステム。セルフサービス、それがいい。
喫茶店やファミレスみたいに何時間も居座る雰囲気が出来ないのも良いと思う。
なにせフードコートにドリンクバーは無いのだから。
勿論、ガチのデートとかに使う場所では無い。少なくとも初めての食事に使う場所では無い。でもそれが良いのだ。
家族連れも「よし、今日はお寿司を食べに行くぞ！」みたいな気負いを感じなくて良いのでは無いか？
その時の子供の気分に合わせてフレキシブルに注文できるのもフードコートの醍醐味である。
とは言えフードコートは基本的に混んでいる。なので無理してまでフードコートで食べる必要は無い。
ふらっと見ていい感じに席が確保できた時に「今日はフードコートにするか」位が丁度良いのである。
