おぎやはぎさんのラジオを聴いていた時の話です。
雑談などをしている時、もしくは男女で呑んだりしてる時に「好きなミュージシャンは?」とか「好きな女優は?」とかの質問になった場合は、回答に悩むのではないでしょうか?みんなが思うような王道で回答するか、“変わった感性“とか“そこいくかー!”と思われるためにちょっと捻くれた回答をするか……。
王道を出したつもりでも「え?そこなの?」みたいに肩透かし食らったりと……非常にリスキーな場面でもあります。
さらに、その輪の中に意中の人がいたりすると「うー、センスあるって思われたいー!」とかってないでしょうか?それでマニアック過ぎるところから引っ張り出してきて場を白けさせてしまうのもダメージが大きい。
そんな時におぎやはぎの矢作さんが「そういう時には魔法の言葉があるから、それを使えばオーケー」と自信満々で話していました。
それは王道の回答の前に『なんだかんだで』をつけると言う方法だそうです。それが魔法の言葉の模様。
例えばミュージシャンだとして「うーん、なんだかんだでミスチルかな?」と話すとストレートにミスチルが好きと言う訳ではなくていろんな音楽を散々聴いたけどやっぱりミスチルなんだよなぁ〜。みたいな感じ(一周まわった感じ)になり「深いッ!」となるそうです。
なるほど。
これで好きな女優とか聞かれて例えばもう100%橋本環奈さんだとしても「なんだかんだで橋本環奈かなぁ」と言う事で彼女を盲信的に好きな訳ではなく色々な女優を俯瞰で捉えた結果が橋本環奈だった……となるみたいです。
すげーなこのシステム。さすが矢作さん。人付き合いの天才だ。
あと、何かをすげー貶した後で「でもなんだかんだ言ってそれ(貶したもの)が1番好きなんですけどね」と言う応用系も使えます。
悪口ばっかのおぎやはぎさんはこの方法をよく使ってますね。
数年前、テレビで小木さんが「女はピラニア」と発言した時は色々と叩かれましたが「最後まで聞いて欲しいんですけど、僕たち、なんだかんだ言って魚の中ではピラニアが1番好きなんですよね」って言ってましたから。
フォローの部分すら皮肉な笑いに変えているのは流石。無敵メソッドですね。
これはアンタッチャブル論争の一つである“目玉焼きに何つけるか論争“にも「うーん、なんだかんだで醤油かな?」と言う事もできますし「ソースじゃないのかよ!」と言われても「確かにソースも好きよ。なんだかんだで醤油だけど、実は俺、ソースが1番好きだもの」みたいに合わせ技も可能です。
もうめちゃくちゃですが。
あとはその場のノリで発した言葉で場の空気が悪くなった時には「いい意味でね、あくまでもいい意味でね!」みたいに強引に持ってく技も持ってます。“いい意味“なんて無いのに……。
おぎやはぎさんは思っても無いのに勝手に人名を略したり(例えば、木村拓哉さんはキムタク、橋本環奈さんはハシカンとか一般的に略しますが、芸人のパンサー向井さんの事を『ぱんむか』さんと略しますから。誰も言ってないのにです)
別に流行るでもなく自分たちだけの言葉遊びでテキトーに話す。まさに部活ノリ、深夜ラジオのノリ。
翌日には「そんなこと言ったっけ?」と本当に忘れてるくらい適当な会話。それでいて芸人仲間から許される。
おぎやはぎってバナナマンとかラーメンズと並ぶコントを作ってたしM-1にも2回出たことがある実力はありながらもそういうがっつきを排除しても芸能界に存続できるという、つくづく特殊な立ち位置の芸人さんなんだなぁー。