20代から30歳にさしかかる頃に小倉へ約2年間仕事で赴任する事があった。北九州小倉北区。
小倉のラーメンは基本的に豚骨ラーメン。それも匂いがキツい奴。
福岡・小倉・久留米の名物は豚骨ラーメン。あとは明太子ともつ鍋になると思う。
おそらく赴任直後に食べたのは先輩に連れて行って貰った『力(ちから)ラーメン』と言う店だったと思う。いまでもあるのだろうか?初日だったのでまだ仕事の概要を教えてもらうだけで、定時になり先輩と2人だけだったのでお酒を飲みに行くのもなんだろう?…と思い「小倉と言えば!」と言う感じで連れていってくれた記憶がある。
小倉にいた時はラーメンと中華料理に悩まされた。
北海道民として、豚骨ラーメンは北海道ラーメンの対極にあるようなもの。嫌いでは無いけど普通に東京の醤油ラーメンが食べたいと言うものなのだが、デフォルトが全て豚骨なのだ。
「豚骨ラーメンお願いします」では無くてお店のメニュー書いてある「ラーメンをお願いします」と言うと豚骨ラーメンが出てくるのだ。
ラーメン屋のチャーハンも街中華的な感じでは無くて、なんかミックスベジタルとかを入れた『家庭の焼き飯』みたいな感じの店が多かった気がする。これは行っている店が少なく個人的な偏見なのかも知れないが、個人の感想なのでそう言う事にさせて頂きたい。
当時はお客様先の社食を使わせてもらっていたのでそういう面では助かってた。工場のラインもあるお客様だったので安くて量があってスタミナがつきそうな奴。
あと、売店で売ってたエースコックのわかめラーメンにも助けられた。確か当時100円で買えたような気がする。
なんか休日にプロジェクトメンバーと街をぶらついて居てふと入った店が“もんじゃ焼き“の店だったり、お客様と飲みに行った時にも“カレー鍋“だったりとか小倉らしからぬ食べ物ばかり食べて居たような気がする。
住んでいた場所とお客様先のちょうど中間に『ほっともっと』があったのでそこで唐揚げ弁当ばかり食べていたのも良い思い出。休日出勤は社食も売店も開いていないのでことさら『ほっともっと』の唐揚げ弁当には思い入れがある。
あとはジョイフルと言うジェネリック・デニーズがあって行く機会はあまり無かったがみんなで「安くて天国かよ!」と言いながらみんなで食べていたのを思い出す。(余談だが、トライアルと言うホームセンターが福岡には沢山ありそこはみんなから『宝箱』と呼ばれていた)
たまに後輩の車で門司港に行った時に焼きカレーとかを食べたような記憶もあるけど小倉での生活は仕事とパチスロと合コンに明け暮れていたのであまり“食“の思い出は無いのかも知れない。
とにかく飲んでた。丸源ビルで飲んでたりしてた。先輩後輩の仲もあったが現地にいたエンジニアに同い年の人が居たというのも良かった。
でもなんだかんだ言って小倉は好きだ。
小倉には小倉城があって花見もしたし、北九州芸術劇場があってケラさんの『カラフルメリィでオハヨ』の再演を観ることが出来た。新幹線が止まる駅でありながらモノレールがあったり、ユニークな街。
映画館もあったし、街の中は自転車があれば(立体歩道橋を我慢できれば)大抵の場所へ行けた。
怖い人は見たけど怖い目にあった事は無い。飲んでてぼったくりにあった事もない。たかだか自転車が2回盗まれた位だ。
でも、“食“に関してはあまり記憶が残っていない。
ただ、まだ30歳になりたての頃、年齢が近い人達と深い時間まで飲んでその後に「くっせえラーメン食って帰ろうぜ」って言うのは嫌いでは無かったな。“くっせえ“はもちろん良い意味で、だ。
神奈川の家系ラーメンや関東の二郎系と一緒の感覚。
僕は新宿歌舞伎町で食べた優しい『神座』も好きだけど決して優しくない“パンチが効いた“ラーメンも好きなのかも知れないな。今の年齢で飲んだ後に食べられるかどうか自信はないけれど…。
その土地土地での思い出の味って言うのはあると思うし、小倉となればなんだかんだ言ってやっぱり豚骨ラーメンなのだな…と思った。
こればっかりは現地に数年住まないとわからない世界だと思う。
もちろん、ネットで検索して初めての土地の美味しいグルメを検索する事は否定しないけどやっぱり“情報“を食べないようにご注意いただきたい。