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深夜にライフ・アクアティック

深夜に目が醒める。まぁ、早い時間から眠りについているのだから多少早めに目が醒めてもしょうがない。そう言う年齢になった。こういう時にテレビをつけると何かしらの番組がやっている。子供の頃は深夜のテレビ番組帯ってのは無かった。『砂嵐』。停波中だ。

今は深い時間まで番組(深夜ならではのバラエティーやドラマ・アニメ)をやっており、そこから何かの再放送を挟んだりして通販番組へと流れるその後シームレスに朝のニュースへと繋がる。ずっとテレビを見ているといつの間にか朝シフトになる。
各局ともにこういう”ほぼ毎日24時間テレビ”状態になってからけっこう経つのでは無いだろうか?

僕が福島にいた頃は深夜に”テレコンワールド”と言う海外の胡散臭い通販番組がやっていてそれはそれでエンターテイメントとして楽しかった。
でも、今の日本の通販番組は観ていてあまりにも”引き”が無い。
どうせ、「お高いんでしょう?」と誰かが言い「えぇ!この価格で!」となり、「今なら」と言う後押し。最早古典芸能。ラジオでも同じような事をやっているので一定数の需要はあるのだろうが観ていて嫌気が差す事もまばら。わざとらしい大きな芸は仕方がないのだろうけれど胸焼けしてしまう。それも歳をとったせいか。

テレビショッピングの裏

この前、同じように深夜に起床した。翌日は休日だったので「寝なきゃ!」と言う焦燥感に襲われる事も無い。
「なら、起きてやるか」みたいな気分になりテレビをつけてチャンネルをザッピングしてみる。

すると、なんか海外映画がやっていた。チャンネルはテレビ東京。
大抵こういうのはテレ東のお約束だ。一発で分かる。

不思議にテレ東のそう言う映画枠は人を不快な気分にさせない。「どうせお約束の…」みたいな感じにさせない。その為、得るものも少ない。この塩梅が”テレ東クオリティー”なのだ。これは褒め言葉。あとサメ映画も多い。

その時、点けた映画をなんとなく見ていた。時間にして1分位だろうか?
1970年代位のB級コメディーみたいな感じだが笑わせようというギャグは一切入っていない。
「なんだ?この映画」と思うのだが不思議とチャンネルを変える気がしない。ただ真剣に観るのでは無くてダラダラ点けっぱなしにしておいても良いのではないか?と思わせてくれる感じであった。

映画の中の適当な時間からかいつまんだ1分間で客を付ける(チャンネルを変えないようにさせる)。
簡単に聞こえるかも知れないが多チャンネルの現代ではそれは非常に難しいと思う。
でも僕はそのまま最後まで観てしまった。

最初は作品のタイトルすら分からなかったがCMに入るタイミングでタイトルが出た。『ライフ・アクアティック』と言うらしい。なんとなくこの作品はメモって後で調べないといけないような気がした。

映画をながら見していくと、途中からわざとダサい演出(めちゃくちゃな演出)をしている事がわかった。
船上がメインの映画なのだが船上の複雑な構造(今、船の中のどこにいるのか?)を視聴者に意識させない為に船を『横割り』で表示してそのまま映画は進んでいく。昔のファミコンのゲームをやっているような感じである。

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結局、最後の方ではのめり込んで観てしまった。
ネタバレになるのかもしれないがヘリが海面に墜落するシーンがあり、そこの演出がとても印象に残ってる。
ちょっと具体的に書くとヘリが海面に墜落すると同時にカメラは海中に切り替わる。そこで”真っ赤”な画面がサブリミナルのように映り、また海中の画面へ。そしてその後同じように”真っ白”な画面がサブリミナルのように入る。

その後海面へとカメラは切り替わるのだが、カメラのレンズに血が流れていたり海水が真っ赤になっていくのを匂わせている場面がある。なんか「死ってこんな感じであっけないんだな」と言う感じ。

そう、テレ東のB級映画って風邪をひいて家で熱にうなされてるときに見る夢の感じに似てるんだよな。

映画館で構えて観る映画もよいけれど、過去の作品を家でダラダラ観るのは歳をとってからは実に有意義な過ごし方だと思う。
昔、この街に来てから出来た知人が僕の家で昼飲みする時に「DVDレンタルの返却がギリギリだから飲みながら観よう」と持ってきた映画達を思い出した。
邦画のこってりとした恋愛映画でもない限り、見始めたら「観れちゃう」のだ。さすが映画。勿論倍速再生などはしない。しっかりと”間”を味わって楽しむ。

ちなみにこの作品の監督はウェス・アンダーソンと言う人でシンメトリー(左右対称)な映像が特徴らしい。『ライフ・アクアティック』ではシンメトリーな感覚はあまり感じなかったが他の作品も見てみたくなった。

なんか、なんとなく観た作品が当たりだった時ってとても嬉しい。こういうのは映画とか小説とかカルチャーの特徴なのかな?と思う。

最後に、この映画のあらすじを。

「川口浩探検隊みたいに、探検(本作では海洋探検)を行う模様をドキュメンタリー(半分フィクション)で撮影するのを生業としていた超自分勝手でワガママな主人公が、過去に実際に友人を食べてしまった幻のサメ(!)を探しに資金調達して再び船に乗り撮影に臨む」

これだけ読むと「凄く興味がある!」とはならないと思うが、確かにテレ東らしく”サメ映画”と言えばサメ映画なんだよなぁ〜。そういう所か……と思った次第である。

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