自社のグループ会社の構築案件をした事があった。グループ会社のシステムを構築するのだけれど、こちらが親会社とはいえこちらのPMの役職は部長なので他のお客様同様にこのお客様からの要求や依頼もかなり”上から目線”であった。グループ会社と言えどシステム構築に関してはまったく関係がないのだなと思った記憶がある。今考えれば至極当たり前の話。
僕はこのプロジェクトの体制図には載っていない。キックオフと同時に販売物流部分のコンサルのメンバが新婚旅行で2週間不在と言うことになった為、幹部からの依頼を受けて支援と言う形で期間限定の参画。スクラッチ案件ではなくてERPパッケージなので特に困る事はなかった。最初の2週間は現行のヒアリングがメイン。
業界あるあるなのだがエンジニアとして予定を立てにくいイベントに長期旅行がある。夏休みや冬休みの長期休暇はシステムの切り替えなどが入る事がある為トラブル対応待機が入る事があるからだ。こればっかりは担当するプロジェクトによる。
結婚式や新婚旅行はかなり前から予定を入れないといけないのでそこばかりは組織としてサポートする。大企業のメリットの一つである。
そのプロジェクトのメンバに仲が良いと言うか別件で仕事をしていた女性がいて、その人と仲の良い女性(かなりスタイルが良い美人)がおり、ちょくちょく昼食に誘われた。
僕の方が年齢はかなり上だし、相手は女性2人なので奢らざるを得ない雰囲気になる。別に恋愛感情は無かったが断るのもなんか違う。簡単に言うとやんわりたしたタカリである。昼食なので金額は飛び上がるほどではないが、2週間中けっこう誘われたのでお金は飛んでいった……。
期限付きなので無事2週間で支援終了。新婚旅行から帰ってきたメンバに引き継いで終わりである。
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ここで、この話は終わりになるはずだった。
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時はかなり流れ次に呼ばれたのが本番切り替え前日。なぜ呼ばれたのが忘れたのだが切り替え(徹夜作業)前日に呼ばれて定時に「帰って良いよ」と言われたのだが”なんか変だな”と思いしばらく顧客先の近くのパチンコ屋で時間を潰していた。
その後やはり現地マネージャーから電話。「本番切り替え作業を手伝って欲しい」との事。今でこそ本番環境を触ると言う作業に対する心構えは体系化されているが、当時はその意識が薄かったような気がする。
マネージャーはそれを感じていたのだろう。
すぐに顧客先に戻り徹夜の作業となった。手順書はあるので2人で指差し確認をしながらの作業。極論としては人的リソースが物理的に足りないので僕が呼ばれたと言う事。
本番切り替えは無事終わったがその後しばらくして別の部分で炎上してしまったらしい。
当時のPMの部長は別案件に参画していたのと、政治的な意味合いも含めて本部長が対応する事になった。
本部長は毎日午後1時間お客様から呼び出され小言を言われ続けた。なまじ自社と顧客先が片道1時間かからないので呼び出されても行けてしまう。
本部長は『ダイエットになる』と笑いながら言い、火が消えた後に「さあ、反撃だ」と。その後の顧客からの依頼作業でことごとく追加請求を続けた。流石だ。
やることはやったからここからは正当な請求ができる。
その為に途中で反論せずに自社に非がある部分は原因が自分でなくとも一旦受け入れる。
この精神は僕もかなり意識するようにしている。
そのプロジェクト、僕の参画度合いはこのエントリーに書いたくらいなのだが今書きながらこのプロジェクトの参加メンバーを思い出してみたのだがなかなかに色々なエピソードを持っているメンバーだった。それぞれのメンバーのエピソードもなにか思い直す事があれば書いてみたいと思う。
ちなみにその会社、その後に会社分割を行い、一部は本社に吸収、残りはバラバラになり別メーカーに吸収されたり独立してさせたため現在は残っていない事を記載して〆とする。