前提:Excelは「表計算ソフト」です。
それを日本人は「なんでもExcelで!」ってなっちゃうんですよね。
定型帳票と言う日本人文化があります。例えばA4縦で書類を作るとき、罫線などを綺麗に引くためにドキュメントを作るのですが、なぜかその際にほとんどと言っていいほどExcelが使われます。表計算目的ではありません。「ここに文字を書いてね!」と言う為だけに使われるのです。
最初からセルを全部正方形にしてしまう人も(Excel方眼紙と呼ばれています。)いるみたいで、罫線が引きやすい、文書のインデントが楽、などあるようです。
また、システム屋の場合、プログラムのテスト結果のエビデンス(証拠)を顧客は求めたりします。画面のスクリーンショットを「Excelに」貼るのです。この場合、なぜExcelか?と言うとタブが使えるからだと思うんですよね。(テスト番号をシート名にしたりします。)
まぁ、エビデンスを取るのは問題があった時に自分を守る為でもありますが、この作業は時間がかかるので色々意見があると思います。
DBテーブル定義書なんかExcelが便利そうですが(表形式でデータを管理したい為)、結局、そこから転記して実際にテーブルを実装するので実機にそう言うツール(テーブル構造を簡単に見れるような。)があれば絶対不整合は起こらないのです。
「資料として残したいからテーブル構造をエクスポートして自動でExcelに整形するツールはないか?」なんて本末転倒な話も当たり前にあります。
なんでもExcelで設計して印刷してレビューして実装する…
それが日本のシステム屋なのです。
とくに印刷と言うのも悪い習慣で、Excelの場合キチンとプレビューしないと文字が途中で切れたりします。紙に印刷してしまったら最後、何を書いているか分かりません。特に数字は顕著で印刷した結果”#####”みたいになってしまったら最後。絶対に数値がわかりません。
会議前に気付いたら、直してまた人数分印刷。さっきのは速攻シュレッダー行きです。
膨大なシステムは大量の仕様書、エビデンスと紙の量も多くなります。
それらはキングジムなどで綺麗に整理されますが、無事プロジェクトが終了し、片付けに入ると、データはDVDに焼かれて納品。
今まであった大量の紙はシュレッダーへと行くことになるのです。残るのはマニュアルくらいですかね?
海外のエンジニアは大抵Wordでドキュメントを作ります。PowerPointもありますが、Excelは驚くほどありません。
また、エビデンスを取ると言う習慣が無かったり、詳細設計書が無くて、「ソースを見ろ。」と言う乱暴なエンジニアも居ます。
まぁ、ソースが1番正しい(バグ含め)んですけどね。
…余談ですが、プレビューしないと(印刷しないと)文字切れが解らないと言う(特に####って奴。主に日付のセルで発生)、WYSIWYGの逆を行く設計はいつのバージョンで直るのでしょうか?
役所等の書類にも罫線が使われる事が多かった日本ではワープロが独自進化していました。
特にワープロ全盛期は「書院」や「一太郎」など罫線が使える環境がありそれが主流になっており、等幅フォントでの書類作成に特化していた。
マイクロソフトのOfficeの販売戦略でしぶしぶWordが導入されたが、欧米で長く主流だったタイプライターの代替程度の機能しかなかった。
同様の形式を求めた結果、フォントの幅で罫線がズレないExcelでの書類作成が主流になった。
以上から、Excelを使うのが日本の悪癖というわけではなく、日本人が使いやすいワープロソフトが無いのが原因だと思われます。
どうもです。
最近、海外のシステムを構築することも多いんですけれど、やっぱり日本みたいに罫線が多い書類って少ないんですよね。
なので、海外はWordで問題ないんだと思います。
「書院」や「一太郎」は日本製と言うこともあって、日本の罫線文化に合っていたんですよね。Wordではこれを実現するのは難しいので結局Excelを使ったと言うのが現状だと思います。
ちなみに、マイクロソフトはInfoPathって言うソフトを出していて、これが日本の文化にぴったりだったんですけれど、Officeには標準で入っていなくてあまり使われませんでした。
結局、「マイクロソフトのOfficeでなんとかしろ!」と言う要求に対して最も使いやすいのがExcelだったんですよね。