「週刊アスキー」と言うコンピューターの週刊誌が紙媒体での発行を終了する。
…と言う情報を朝起きてtwitterで発見しました。
つまり、そういう事なんですよね。
僕自身は、”今の”「週刊アスキー」はほとんど買っていません。長距離出張の時とかにたまーに買う位です。ネット(厳密にはWeb)上で毎時毎分のように発表される新情報にたいして、週刊と言えども週刊アスキーは紙媒体としては、ちと遅すぎたんでしょうね。
かと言って、僕自身、紙媒体の雑誌がすぐに全滅するとは思っていません。ファッション雑誌や、週刊で下世話なニュースや文章を発信するような紙媒体はまだ残ると思います。
しかし、いかんせん「週刊アスキー」はコンピューター特集を売りにする雑誌。例えば、アップルの報道の翌週に発売されても、みんな既にWebでウォッチ済みなのです。
最後の方の「週刊アスキー」を読んでも、広告ばかりでほとんど斜め読みしかしなかった記憶が在ります。
しかし、この「週刊アスキー」。歴史は深かったりするのです。
まだ、一般家庭に一台パソコンがあるのが珍しい時代にはコンピューター雑誌は本当に色々と在りました。ほとんど月刊ですが、今思い出しても「月刊BASICマガジン」「I/O」「月刊LOGIN」。色々な雑誌があり、今のようにネットがない時代にはこの本を買い、この本に載っているソースコードを自分で打ち込み、ゲームを楽しんでいた物でした。恐らく、今のプログラマーの先駆者の時代、当時の読者は今の一戦や管理職になっている時代です。
その中で「月刊LOGIN」だけはちょいと毛色が違いました。簡単に言うと「バカさわぎ」だったんでしょうね。分厚い雑誌のどこかにバカな記事が載っていた訳です。
それはその後、隔週で発売される「EYE-COM」と言う雑誌に繋がります。
簡単に言うと「CPUの熱で目玉焼きは出来るのか?」みたいな記事です。
当時はスマホどころか、インターネットもまだ黎明期だったので、隔週でこの「EYE-COM」を買って楽しんでいました。
その内に、(初代)「週刊アスキー」が発売となる訳です。
当時は両面が表紙で、右からめくれば横書き、左からめくれば文芸色のある縦書きとなっており、当時かなり挑戦的な雑誌でした。
しかし、いかんせん、受け入れられなかった。
その内に、「EYE-COM」が週刊になり、今の「週刊アスキー」となる訳です。
出版社としてはなんとしても「週刊アスキー」の名前を残したかったのでしょう。
当時はインターネットは限られた人がやっていて、携帯も珍しかった時代になります。
僕は、通勤で「週刊アスキー」を読み、仕事で分からない事があれば本屋さんに専門書を買いに行ったものです。
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しかし時は流れました。特異点は「Youtube」位からではないでしょうか?
インターネットが当たり前になり、パソコンの目の前にいれば最新情報がリアルタイムで入ってくる。移動中もスマホがあれば、漫画雑誌など読まなくても時間が潰せる、と。今では沢山のキュレーションアプリがあり立ち上げるだけで、政治から下世話な話題まですぐに飛び込んできます。
”雑誌”は紙媒体である以上ある程度のリードタイムを必要とします。文章が書き終わってから校了と言うチェックまで。このチェックを行わないと誤字脱字や間違った情報のまま印刷されてしまいます。Webなら書き直せば終わりですが、印刷されてしまうとそうは行きません。
”印刷される”と言う事は紙での”在庫”を持つ事になります。幸い、取次(本の世界での卸)では、返本制度が出来ますが、返本されて一番困るのは発行社です。
なら、インターネット配信(部分的な記事は有料)、もしくは電子書籍化した方が在庫を持たなくて良いのですよね。
世の中は変わります。
昔の当たり前が今の「え?古くない?」と言う常識に置き換わるのです。
それも技術の進化には必然であり、なにより”紙”と言う資源を使わない効率的な手段になりつつあります。
なんか”紙媒体”としての「週刊アスキー」終了は時代を感じますが、得意なデジタルの分野に移行するにしたがって僕たちが思ってもみなかったような”add value”を提供してくれる事を祈るばかりです。
では。