提案書を作っています。チームで作業するので個人では帰れず帰りが遅くなるんですよ。
21時頃まで作業をして、その後一緒に提案書を作っている人と飲みに行ってました。
居酒屋なんですが、そこのメニューに『魚の種類を当てられたら半額!』と言うものがありました。
刺身なのですがなんの刺身か教えてくれないのです。食べて見事に種類を当てられたら半額(345円)外れたら通常価格(690円)と言うものです。
僕は正直どうでも良かったのですがね、ノリのいい人が「やってみよう!」と。
で、出てきた魚なんですが白身魚である事はわかるんですが案の定分かりません。お頭がついているので大ヒントだと店長は言います。
さぁ、酒飲みながらみんなでワイワイと言うより各人スマホを使って調べ始めます。
さすがにクイズに出すくらいだから珍しい魚なんだろう。
ブリとかハマチとかボラとかはないよな、と。
色々と候補を言って探します。僕は興味が無かったのでビールをガンガン飲みながら煙草を吸っていました。21時からの飲み始めなので長居は出来ません。
「早く決めちゃいましょうよ」と僕。
で、結果なんの名前の魚にしたのかは忘れてしまったのですが名前を紙に書いて店長に提出。
「これで良いですか?」と店長。
…正直、この時点で店長の顔(眉毛の動きなど)を見ていたので「あぁ、ハズレだ」と言うのは分かっていました。
ここから店長のプレゼンが始まります。
すぐに答えを言うのでは無く、紙に答を書いてくれました。
「鰡 鯔 鮱」
うん?3文字?と思わせます。
店長「この漢字は全て同じ魚を示すんです」
考えさせてくれますね。
で、こちらの頭が「?」になった所で、「正解は”ボラ”です」と。
え?あのボラ?まあ候補にはあったけれど、ボラって魚釣りの中ではどちらかと言うと「ハズレ」のイメージが。
「はい、ボラです。関東では水が汚いのであまり食べる事はありませんが、関西とか水の綺麗な所では刺し身として食べます。非常に美味しいです」
「ボラと言う先入観があるとマイナスイメージになってしまうかもしれませんが、食べてお分かりの通り実に美味しい魚なんですよ」
と。
いやー、感心しました。
なんというか魚の知識どうこうより、この”690円(当たれば345円)のクイズ自体の価値”と言うんですかね?
回答の出しかたから締め方まで非常に上手い。
なんと形容して良いのか分かりませんが「こういうのを上手いプレゼンと言うんだな」と。
僕たちは提案中なので提案書やプレゼン資料を作るのですが、基本的に僕たちは「プレゼンする側」です。「プレゼンされる側」と言うのはあまり経験がありません。
Appleの新製品のKeynoteをネットで見るくらいです。
僕たちはプレゼンする時に「お客様に刺さった」と言う言い方をします。思いがお客様に伝わったと言う意味です。
今日の店長の答えの披露の仕方、僕たちに見事に刺さりました。
いやー、酔っ払いながらもいい経験をさせてもらったのと同時にプレゼンの難しさを知った次第です。
うーん、勉強になった。
ちなみに魚は毎回変わるらしいので、次の日に行っても「ボラ」では無いんですよね。
ちなみに、この居酒屋、お通しにおかわり無料のサラダを出してくれると言う非常に良心的でリーズナブルなお店です。会社のすぐ近くなので違う部署の人たちもよく使っていて、お店の中で「あなたもここで飲んでたの?」なんて言う出会いもあります。
ボラだけに「ボラれる」心配がないのが救い。
うーん上手く落ちなかった。失敗!