あなたには忘れ得ぬ人はいますか?現在の結婚相手?現在の彼氏・彼女?違うのではないですか?正直に目を閉じて、タイムスリップしてみましょうよ。
僕は25歳の頃にタイムスリップです。現在41歳なので、もうずいぶん前の事になります。自分で言うのもなんですが、当時結構イケメンだったんですよ。髪の毛もまだありましたし、脱色・パーマは当たり前。風紀を怒られる前に、仕事で実績を残していた頃です。
ある新しいプロジェクトが始まりましてね。お客様の中に女性が3人いまして、3人とも美人だったんですよ。お嬢さん系、お姉さん系、ボーイッシュ系。顔で採用しているのではないか?って思うようなお客様でした。いいプロジェクトでした。でも、僕の忘れ得ぬ人はこの中にはいないんです。
そのうちにこのプロジェクトに新人を入れることになったんです。それも女性でした。それが忘れ得ぬ人。当時から僕は”広末涼子好き”を公言していたのですが、まさにそんな女の子だったんです。さらに巨乳。人生で一目惚れしたのは後にも先にもこれ一回です。新人なので、まだ仕事はあまりできないので、僕が指導役になったんですが、油断しているとずっと指導(と言うか隣にいたい)していそうでした。いけません、当時の僕の立ち位置は販売コンサルです。
って事で、僕も若かったし、そのプロジェクトも忙しかった。でも、プロジェクトメンバー全体がまだ若かったんでしょうね。よく飲みに行ってましてね。でも、その子は飲み会には参加しませんでした。その子には遠距離恋愛している彼氏がいると言う情報は入っていましてね。僕にしては、「彼氏のいる女の子には手を出さない」って言う暗黙のルールがあったのですが、先輩が言った「遠距離恋愛は半年でダメになる」という謎の情報を頼りに「付き合えたらいいなぁ。」って思っていたんです。
正直、お客さんの女の子を誘えば付き合えてたと思うんです。「嘘だろー」と思われる方もいるかもしれませんが、当時の僕は、お客様の中からは「イケメン」と呼ばれており、他のフロアから僕を見に来る人もいたくらいなのです。今考えても不思議なくらいです。
その子とは通勤電車が途中から一緒でしてね、朝、同じ時間の電車(もちろん車両は違う)に乗ると、駅からお客様までの距離を一緒に歩くことができたのです。ちなみにお客様の会社の前にはコーヒーショップがありましてね。そこによってコーヒーを買ってプロジェクトルームへ向かったのですが、その子も一緒の時は「波秋さんも、コーヒー買いに行きます?一緒に行きましょ!」って感じで一緒にコーヒーを買いました。
基本的に僕は残業をして、その子は比較的早めに帰っていたのですが、一緒に帰れる時は同じ電車で帰ってですね。新宿から、藤沢方面に小田急に乗って帰ったのですが、その子、登戸から乗り換えなんですよ。新宿からは近い。僕は藤沢に近いので、新宿から遠い。なので座って帰りたいんです。小田急は一本見送れば基本的に座れるんですよ。でも10分位のロスになります。でも、その子、「波秋さん、座って帰りたいんですよね。私も一本待ちますよ。一緒に帰りましょう。」って言われたんです。毎回。で、隣通し座って帰るんです。幸せな時間でした。仕事の苦労なんて一瞬で吹き飛びました。
いろんなエピソードが浮かびます。帰りに彼女が「お兄ちゃんにプレゼントを買いたい。」って言ったので「あぁ、お兄ちゃんってのは彼氏なんだろうな。」と思いながら一緒に新宿でショッピングしたりした事もあります。
一回だけ、電車が止まって帰れなくなった事があります。その時はその子も飲みに来ました。幸せだった。思い出した。それはiモード元年。(iモードって言うのも死語か。)iモード携帯を持っている人を頼りに電車運行状況を確認したものです。
結果、2回告白しました。2回ともダメでした。結果はわかっていたんだけれど、言わなきゃ後悔すると思ったんです。だから、告白した。そしてダメだった。
彼女の携帯の着メロを代わりに打った事があります。(昔は着信音ってのは、手打ちで入力するものでした。)その時、魔が差して、発信履歴を見てしまいました。全部、一人の男性でした。僕は逆にホッとしました。
その後、時間を経て彼女は結婚退職しました。その時、全力で握手しました。それは本当に憎しみもなく心からの歓迎。
ちなみに、その子でエッチな事を想像した事はなかったんです。それだけピュアだった。それだけプラトニックだった。
僕の20代は、その子でいっぱいでした。今でも後悔してはいません。
忘れ得ぬ人がいる。
僕にはそういう思い出があって幸せです。