はじめに
鉄道マニア、それも所謂”撮り鉄”と言う人たちが「モラルを守っていない」「危険だ」と言われています。新しい電車が出たり、今まで走っていた電車が引退する時とかの”撮り鉄”による迷惑行為がニュースで報道されたりしますよね。
僕の友人も鉄道の写真を撮るのが趣味ですけれど、やり過ぎた”撮り鉄”のように線路にはみ出したり、ホームの危険地帯に行ったりはしません。
そうです。ほとんどの”撮り鉄”の人はマナーやルールを守って写真を撮っているのです。でも、一部のそれをわきまえない人々が度を越すような行為を行い、結果的に「撮り鉄は鉄道ファンの中で一番マナーが悪い」なんて言われてしまう事実となるのです。
今日はそんなお話。
リービッヒの最小律ードベネックの桶
リービッヒの最小律と言う言葉があります。別名ドベネックの桶と言います。
桶って何枚もの木の板を結ぶようにしてできていますよね。例えば、その木の板が全部同じ長さなら綺麗な桶が作れるはずです。
僕たちが普段温泉旅行に行ったりして使っている桶はそうやって綺麗に作られています。
でも、その桶が凄い長い木があったり凄い短かい木の板で作られていたらどうでしょう。どれだけ長い木の板があっても、お湯を入れれば、一番短かい木の板からお湯は溢れて行ってしまいます。
実は、このドベネックの桶、元々は植物の影響摂取をモデル化したもので、成長は一番短い栄養に影響され育つと言うものなのです。お湯(水)は一番短かい板までしかたまらないからです。
また、それに准えて人材育成(この人はここが秀でているが、ここが劣っている)にも適用されているようです。個人的には糞食らえですね。秀でているところがあれば劣っている部分もあっても良い。完璧人間などなかなかいないのですよ。
何にでも応用できます
ここからが本題。このドベネックの桶、一定数の量を持った団体(趣味・嗜好)でも同じ事が言えると思います。
簡単に言うと、今回は”撮り鉄”を指しましたが、一部のマナーの悪い”撮り鉄”(=一番短かい板)の人がいる以上、お湯は漏れてしまいます。それが社会に広がり、結果的には「”撮り鉄”はマナーが悪い奴ばっかりだ」となってしまうんですよね。
でも、本当にそのマナーが悪い人は一部なんです。他の人のマナー・モラルは高い(=長い板)んですよ。ある程度の同じ趣味・嗜好を持つと、全員が同じモラルを保つ事が難しくなって来ます。
そして、その一部の悪い人の行動だけ目立ってしまい、結果的に”全体悪”となってしまいます。
タバコだって一緒です。ちゃんとマナーを守っている人は喫煙所やタバコが吸える場所でしか吸いませんが、マナーが悪い人は歩きタバコをしたり、子供の目の高さと同じくらいの高さでタバコをブラブラさせているんです。
こう言う行為があるから、「喫煙者=悪」となってしまいます。
終わりに
ある程度の分母ができる(人数が多い)コミュニティーではドベネックの桶が適用されます。もし、1枚でも短かい板があって、そこから流れ出たお湯でやけどをしてしまった場合、そのコミュニティーは全体的に悪いイメージを持たれてしまいます。
「俺だけ守ってればいいや」ではなく「ちょっと、それルール違反ですよ」と注意する事。それが、自分の趣味・嗜好を長く続けていける秘訣だと思いますよ。
では。