家で調べ物をしていましてね。ある調査に関する本を部屋の押入れの段ボールから出そうと探していたんですよ。そうしたら、高校時代の同人誌(的なもの)が大量に見つかりましてね。まぁ、当時の彼女からのラブレター的なものも出てきたので、家でしんみり味わうのはなんだなと思ってカバンにその書類を入れて行きつけのBARに行ったんです。
行き先はBARなので他にお客様がいる時は僕から話しかけないと基本的に無視です。マンツーマンなら話は変わったかもしれませんが、先客がいたので、そちらの対応をしていた模様。良い感じです。
僕は、その当時(20年以上前!)の友人の書いた漫画や自分で(酔って)書いたコラムなんかを一人でニヤニヤと読み返していた訳です。この感覚だけは伝えようがありません。当時を生きた人間だけが知るドキュメントです。友人の漫画が面白かった!懐かしかった!
で、読み終わって、「あと一杯飲んだら帰ろうかな?」なんて思っている時に、2人連れのお客様がきました。
話を聞いているとどうにも一人は現代っ子で新人のプログラマー。もう一人はその上司的な人でした。
僕の席の近くに座ったので、色々と話を聞いていくと、「プログラマーやっててつらい」的な話が。今、流行りのIT社畜なのでしょうか?
で、彼らに簡単なITの質問を出して見ました。「Aさんの要求とBさんの要求を両方満たすデータベース構成はどうか?」と。
実は、これが引っ掛けでしてね。答えを言うとAさんの要求もBさんの要求も一つのデータベースで済むんですよ。分ける必要がない。
でも、若い子が「えーと、データベースの正規化は3階層までだから。」なんて考えてるんです。その時点で教科書に洗脳されてます。
ついでに聞くとインメモリーデータベースも知らないとの事。インメモリーデーターベースって今まで、容量が足りなくてハードディスクなどの外部媒体に頼るしかなかった仕事(トランザクション)を全部メモリに展開して高速化を測ろうって技術でして。
それも知らないで「データベーススペシャリストを受けようと思っていました。」なんて笑止千万。
なーんて言って、あれこれ話していたんですけれど。23時を超えた頃に彼らは帰っていきました。
もともと、若い方があんまり飲めなかったみたいで地元の駅で先輩による飲み直しをしていたみたいです。
で、彼らが帰った後に、僕はマスターにふとこぼしました。「俺、あれだな、年寄りの老害だな。」って。直感的に自分から出てきたんです。
昔から、自分の感性が尖っていた頃から、「40代の言うことなんて昔話だから信じるな!」的な精神だったんですよ。
舞台に例えるなら、「Don’t trust over 40.」てなもんです。
(実際に、僕が29歳までは壁紙が「Don’t trust over 30.」だったし、30歳になったら壁紙を「Don’t trust under 30.」に変えたほどです。それほど尖ってた。)
僕自身も、技術を伝承しているような気分で色々と話してしまいましたが、彼らからすれば、「じじーの昔話はいいんだよ。」って思われていたのかもしれません。
高校時代の甘酸っぱい思い出を感じるためにBARに行ったのに、帰る時には老害になっている。
そんな浦島太郎みたいな経験をした一日でした。
20年の月日は長いようで短いんだな、そして人は老いていくんだな、なんて実感した次第です。