先日あたりに「クリックしても何回も表示されるダイアログ」が埋め込んであるページを作成した13歳の学生を補導したと言うニュースがありました。
僕が思ったのは。
「んな、アホな」と
「なんで兵庫県警が動いたの?」
です。
前者は言わずもがな、JavaScriptでwhile(1){alert(‘!’)}で、終わりです。
JavaScriptはWebページを作成するのに適しており、プログラマ不足の時代で最も需要がある言語と言われています。
それを書いて補導って…。
別にブラウザを閉じれば終わりの世界です。最悪、電源を切れば問題ありません。ウィルスのように自己増殖をしたり、クライアントPCのデータを壊すような事は一切しておりません。
こういうのは広義の意味で”ブラクラ(ブラウザクラッシャー)”と呼ばれるものです。しかし、こんなレベルは全然稚拙。
20世紀(~2000年)までのアングラなインターネットの世界では数々のブラクラ(もしくは精神を不安にする精神的ブラクラ)などにあふれておりました。
ブラクラは「うわぁー踏んだ。電源きろーっと」って感じでしたが、精神的ブラクラはなかなか来るものがありました。
例えば、普通の白黒の風景の画像が表示されているだけだと思ったら、実はそれが動画gifで突然ホラーな画面が表示されるとか、そういう奴です。
あとは「続きはこちら!」なんてリンクが貼ってありそれをリンクするとグロテスクな画像が表示されたり。(このパターンから、グロテスク注意!→グロ中尉なんて言葉も生まれました)
まぁ、精神的に来ましたね。当時はテレホーダイなどの制限もあり、夜中にひとりでネットをする人が多かったと思うのでそういう人たちは大抵、精神的ブラクラを踏んでいるでしょう。まぁ、そうやって人間学習していくんですけれどね。
これから、プログラミングを必修化しよう!とか、2020年オリンピックに対してサイバー対策本部を設置しよう!なんて周回遅れのITリテラシーを取り戻そうとしている日本にとって、「みせしめ」としては、稚拙すぎるのでは?と思うんですよね。
海外に対して、「日本の(警察の)ITリテラシーってこんなに低いんですよ。ごめんちょ!」って言っているような気がして…。
小学生からプログラミングをやって、現在システムエンジニアをしている僕としてはいささか憤りを感じている位です。
さて、後半。
なんで兵庫県警が動いたんでしょう?
これ、僕はよくわかってないんですよ。誰かがこのブラクラを踏んで(ブラクラは踏むと言う言い方をします)、「ムキーーー!ウイルス!ウイルス!」と怒ってサイバーポリスに連絡でもしたのでしょうか?
まったくわかりません。なんでこの古典的なブラクラがこのタイミングで!?って感じなんですよね。
んで、何を思ってIPから作成者を特定したのでしょうかね。こういうのを無駄な努力と言います。
世の中にはもっと悪質なページが存在するでしょう。
グレーな所ではCoinhiveってのが最近有名でしたね。利用者のPCのCPUを使って仮想通貨をマイニングさせようと言うスクリプトです。これは利用者のCPUが使われてその分電力消費があるので、こっちの方が悪質です。
そして何より許せないのが、アダルトページを見ているおじさんたちなら経験があるかもしれない「勝手にアダルトサイトに登録したので料金払え」パターンですね。なまじIPアドレスとかも表示されて(実は非常に簡単)、「あなたのパソコンはもうこちらで知り尽くしていますよ」って言う風に思わせる架空請求です。
こっちの方が悪質。
後は、あたかも正義の味方のようなふりをして「あなたのパソコンからウイルスが検出されました!今すぐここをクリックしてウィルスを除去しましょう!」と言うウイルスページです。これは大半は海外から送りつけられている奴で日本語がところどころ変なのでリテラシーが高い人は大丈夫だと思いますが、そんなに詳しくない人はだまされてしまいそうです。
兵庫県警(後は神奈川県警)よ、こっちを捕まえるのが先だってーの。ばかじゃねーの!?
と最大限の謝辞を送った所で今日はここまで。