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秋葉原にエウリアンと言う人種がいた。

秋葉原がピンチです。今、仕事の関係で久々に秋葉原に行っているのですが、駅前の一頭地に店がない(テナント募集中)状態。街としてピンチなのと同時に「あぁ、秋葉原も変わって行くんだなぁ」と思ったものです。

さて、今回は秋葉原が電気街だった頃の話です。
駅前(電気街口)の一等地に謎の画廊があったんですよね。電気街としては異色の一角でして、なんでこんな所に画廊が?!って感じなんですよ。

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謎の画廊

申し合わせたように駅前に(この街に似つかわしくない)女性がおりましてね、”女性、美人”と言う秋葉原オタク住民にとって夢のような存在がいるんですよね。

今ではメイド喫茶が乱立しておりコスプレ(?)みたいな格好をした若い女性たちが呼び込みをしておりますが、そう言うのとは違いましてね、「落ち着いた綺麗なお姉さん」みたいな感じの人がいたんですよ。

で、そんな女性が僕(なんか)に声をかけてくるんですよね。心の中ではもう「もしかしてワンチャンあるの?」なんてウブな秋葉原民は思ってしまうわけですよ。

「絵画に興味とかありますか?」

ここで、「俺はパソコンだけじゃなくて、一般的な趣味も持ってるぜ」的な自分を示そうと「あ、ありますね」と返したとします。

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綺麗な女性に声をかけられたら嬉しいですよね

すると、その謎の画廊に連れていかれる訳です。そこには色々な絵画が飾ってあります。

それらの絵画をボケーっと見ていると「どんな絵画が好きですかぁ?」彼女は聞いています。

そこである絵画を指差したとします。画家の名前なんて勿論知りません。
すると彼女は言うんですよ。

「お目が高いですねぇ。この絵画はこの画廊の中でも非常に価値が高いxxxって言う画家の作品でしてね…」とまくし立ててくるわけです。
「この絵画が家にあるだけで生活が潤いますよー」

この時点で、帰ろうと思ってもなかなか帰してくれません。本当に色々と話して褒めてくるんですよ。
「この絵もすぐ売れるかもしれませんよ、この出会いは一生に一度かもしれないのに…」
と、まるでその女性との出会いをほのめかすように話してくるわけです。

最終的に、「でも、高いですよね。僕、そんなにお金持ってないので…」と最後に切り札を出さずにはいられなくなります。屈辱的ですが自分にお金がないアピールをしなくてはいけないのです。


しかし、ここで彼女はそこでは引き下がらず、(ほぼ必ず)こう言います。
「そうですよねぇ。いきなり高い絵画を買うなんてちょっと躊躇しますよね。でも、毎日コーヒーとか飲みますよね?そのコーヒー代を絵画に回せばx年でこの絵があなたの手に入るんですよ!」とローンの提案をしてきます。大抵コーヒー代とかです。

コーヒー代かぁ、そのくらい(でここを逃げられる)なら良いか…と思い気を許したら最後です。

「では手続きしますねぇ、奥へどうぞ…」

奥に控えているのは男性。それも「うわぁこれ逃げられないぞ」って感じの威圧感です。
さっきの女性はささっと消えていきもはや視界にいません。

こうやって高額な絵を買わされてしまうと言うある意味、商材詐欺なんですよね。もちろんその絵画にそんな価値は無い訳です。レプリカ(コピー品)ですから。

と、こう言う秋葉原のウブな男性の心を揺さぶって絵画を買わせる女性のことを”絵売り”とかけて”エウリアン”って呼んでました。

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あ、もちろん僕は引っかかったことないですよ。

…秋葉原も電気街からオタクな感じに変貌し、路上にはメイド喫茶の勧誘の女性が増えている昨今、エウリアンの存在意義はもはやありません。

噂では秋葉原からちょいと離れて上野との間あたりに「あの画廊を見かけた!」と言う話があるとかないとか…。

それにしても、昔だから許された(?)商法ですね。古き良き詐欺のお話でした。

路上を歩いていて、女性から声をかけられたらまず疑った方が良いですよ。あなたが相当のイケメンでない限りうまい話なんてない訳です。
夢を壊すような話で申し訳ないですが、現実ってそんなものですよ。

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