はじめに
恋愛リアリティー番組に出演していた女性がSNSに対する誹謗中傷により自死されると言う悲しい事件が起きてしまいました。お悔やみ申し上げます。
さて、本件に対して、テレビでは”SNSによる誹謗中傷”に対する問題点・法制度の整備について色々と報道されています。
もちろん、SNSを使っても使わなくても誹謗中傷や殺害示唆はダメです。これは今に始まった事ではありません。昔からこれはキチンとした罪ですからね。これを機に”ある程度”の法整備(IP開示など)が進められる事は大事だと思います。
でも、僕は「番組として”テラスハウス”の放送形態に落ち度はなかったのか?」について議論しても並行して議論すべきだと思っています。
リアリティー番組?演者=本人と言う危険
テラスハウスは”恋愛リアリティー番組”と謳っておきながら、バラエティー(やらせ・台本、あえてヒールを作るように編集をする)の要素ももちろんあると思います。テレビ番組なのですから。台本もなければ何も起きない平和な日常で終わってしまう可能性ありますからね。
編集した結果「この女の子、性格悪いでしょ、ね!」って言う風に”演出”しておいて、その女の子は実名(芸名)出演で本人アカウントがあるから、”演者=本人”と言う誤解を与えてしまうと思うんですよね。そこがテラスハウスの罪なんじゃないの?と思う訳です。
例えば「逃げるは恥だが役にたつ」はドラマであって台本があって俳優・女優が演じています。ガッキーや星野源は役を演じている”演者”なんですよ。
それに対して「死ね」ってのは”役”に対して刺さるものであって、本人の人間性に対しては関係ないと思うんです。
「羨ましい、こんな世界があればなぁ」「星野源になりたい」
と夢を見せるのが台本のある”ドラマ”であり、これはフィクションなんですよね。
だから「あの役むかつくなぁ」と言う”悪役”と言う役は存在するのに問題はありません。
僕が思うにはリアリティー番組は”演者=本人”と言う誤解を与えていることにこそ問題があると思うんですよね。だから”悪役”が「”本人”って性格悪いわぁ」と言う誤解を与えてしまいます。
なぜそこを考えないのか?
僕には疑問でしかありません。
それでいったら、クロちゃんなんて誹謗中傷の嵐だと思います。
そこに関してはどう思いますか?「クロちゃんはそう言う性格だから(叩いても)良い」と言えるでしょうか??答えは違います。
悪役という演出をノンフィクションに見せるテレビ局
最初にも書いた通りSNSでの芸能人への犯罪示唆や誹謗中傷はもちろんダメです。
でも、そう言う風に(わざと)”ヒール”を作っているテレビ番組にも問題があると思うんです。
それも”リアリティー番組”という”台本がない”と言い張っている番組。僕はそこに問題があると思います。
男女の共同生活による”疑似恋愛”番組自体に問題はないと思います。ただし、そこには”台本、演出の有無”をキチンと明記する必要があると思うんです。
「今回の件に関して、誠に遺憾に思います。この件を重く受け止め、放送を中止します」で終わらせてはダメだと思うんですよ。
キチンと「台本が無い」と謳っていた番組に台本は無かったのか?編集により”ヒール(悪役)”を意図的に作り出していなかったか?検証番組を放送する義務があると思います。
テレビは番組制作側なので、「番組を見て誹謗中傷、匿名SNSに問題側がある!」で済ませるかもしれません。
でも、僕はその番組が出演者に対する誹謗中傷を生み出すきっかけを孕んでいなかったのか?と言う点について追求する必要があります。
終わりに
過去に同じような事件があり、今の番組は”この番組はフィクションであり、実際の人物・団体とは関係ありません “と言う表記が必要になっております。
また今回の件は大きく報道されていますが、実際に世界ではリアリティーショーで同じような事があり、38名もの人が自死しています。
このような件で、こう言う番組がなくなると楽しみを失う人が多く出てくるので、こう言う番組を無くせとは思いません。
しかし、「一部進行により台本・演出が存在します」と言う点を強調すべきで、視聴者もそれを理解した上で見れるようにすべきだと思います。
匿名性のSNSというツールを一方的に叩いて、叩くもとを生み出したテレビ番組に罪はないってのはフェアじゃないというのが僕が憤りを感じている点です。
今回の件でSNSの使い方が良い方向に法整備されればいいですけれど、変な方向に法整備されないか、それが心配です。
では。