はじめに
仕事柄、顧客への提案資料にPowerPointを使用してプレゼン資料を作ったりします。勿論、一人で作るのではなくて、数十億円のプロジェクトのプレゼン資料なので、しっかりと作り込んだ資料を200ページ位作る結果になります。
これ、日本のSIerの悪いところなんですけれど、提案書とプレゼン資料って一緒のものを使うんですよ(というか、一緒にしてください(事前にプレゼン資料を印刷してください)と言われたりします)
なので、スティーブ・ジョブズがやったようなカッチョいいプレゼンではなくて、書いてある文字を読むだけみたいな感じになったりするんですよね、スライドに文字を埋め込むのは情報としては良いと思うのですが、プレゼン資料としてはいささかだめだったりするんですよね。
今回はそう言うお話です。
イケハヤさんのYoutube
イケハヤさんはYoutubeでプレゼン資料(おそらくKeynote)を使って説明しているのですよね。
まずは下記をご覧ください。
ビジネス的なサムネイル
始まるとシンプルですね
まぁ、シンプル
セクションの開始もシンプル
こっちのセリフだ!
…と終始こう言うふうに白地に黒文字だけのスライドが永遠続きます。画像とかは基本的になし。あったとしても他のホームページからの流用(スクショ)だったりします(引用元を出していない場合があるので、それはそれで問題ですが)
これで「今回は250ページの大作です!」と言われても、1枚あたりの文字数が10文字だとして2500文字となります。大作と言うよりもちょっとボリュームのあるブログレベルです。
この方法、人をバカにしているのか!?と思われるかもしれませんが、実はこの手法はメソッド化されています。本人は知っていて使っているのかどうかわからないけれど、この手法、”高橋メソッド”と言われています。
高橋メソッドとは?
さて、突然個人名(それも日本人)がついたメソッド名が出てきましたね。実はこれはWikipediaにもあるとある由緒ある手法なのです。
高橋メソッド(たかはしメソッド)とは、日本Rubyの会の高橋征義によって考案されたプレゼンテーション技法。
2001年に高橋が講演するにあたり、あいにくプレゼンテーションツールを持ち合わせていなかったことから、巨大な文字だけで構成されたHTMLによるプレゼンテーションを行ったことが始まりとされる。ーWikipediaより引用
実は、この手法プレゼンツール(PowerPointやKeynote)がなかったので、HTMLで「でっかい文字並べておけば目立つっしょ」と作ったその場しのぎのメソッドだったのです。
高橋メソッドの利点
まずは「読みやすい。馬鹿でも理解できる」点ですよね。あと、実際に高橋メソッドは強調したい文字は大きく、強調したくない場合は小さくとメリハリをつける事により色とかを使わなくても”言いたいところ”がわかるようになっています。
あとは、文字は最低限なので、補足を口頭で話す事により「読むだけではわからないけれど、プレゼンして聞けばわかる」って言う点が挙げられます。
高橋メソッドの弱点
聞かないとわからないので、その時間分拘束されるって点はあると思いますが、プレゼンは時間も重要な要素になるのでそこまで弱点にならないのかもしれません。
あとはこのメソッドは2001年に作られたメソッドですが、現時点で使っている人が少ないと言う点ではいささか古いと言う点は否めません(淘汰されたと言う表現があっているのかもしれません)
また、現在はディスク容量も大きく高解像度になっているので、やはり写真などを挿入したプレゼンには勝てないと言う点もありますね。
TEDとかで高橋メソッドが使われてないもの納得がいくと言うものです。
終わりに
別に、イケハヤさんが高橋メソッドを使おうが使うまいが僕には関係ありません。なぜなら彼の動画をじっくりみないからです。
でも、数値を出すときにはグラフを効果的に使うとか、色々と今だからできることってあると思うんですよね。
東京都の新型コロナ情報のグラフです。こう言うの見ると視覚的にわかりやすいです。
ネタとしては使えるけれど、何回も使うと効果がないどころか逆に薄くなってしまうのが高橋メソッドの致命的な欠点。
イケダハヤトさんはいつまでこの手法を使うのでしょうかね?
余計なお世話かもしれませんが、自分のプレゼン手法もアップデートした方が良いと思いますよ。老婆心ながら心配していますよ。(有料で資料を売っているらしいので)
では。