はじめに
パチスロって言うギャンブルがあります。”勝って出たメダルを換金”と言う表現は使えないので、メダルと景品と交換して、その景品を買い取ってくれる謎の景品交換所でお金に換金すると言う”3店方式”をとっています。
これがグレーゾーンになっている訳ですね。
ちなみに、パチスロって、レバーを叩いた時点で結果は決まっています。どんだけ”熱い演出”が来ようともレバーを叩いた時点で内部的に”ハズレ”と決まっていればハズれるんです。(最近は第3ボタンを押したタイミングで抽選をしている台もあるとか…)
ミリオンゴッドと言う神の仮面を被った悪魔
今でも、夢が見れる(沢山お金になる)パチスロ機としてはいわゆる”GOD”シリーズと言うものがあります。あらゆる規制の目をなんとかかいくぐって射幸性を煽ると言う種類の機種です。
このGODシリーズってのは2002年に初代が発売されて、1/8192の抽選に当たると約5000枚のコインが約束されると言う夢の機種でした(5000枚のコインは10万円相当です)
また、連チャン性(ストック放出と言いますがここでは省きます)もある機種で、1日に5万枚出た!(日本円で約100万円)と言う事実もあちこちから出てきて、まさに”ミリオン(100万)ゴッド”だった訳です。
当時はパチスロをする人口も多く、駅前には数多くのパチスロ屋が建っておりました。また、このGODシリーズは、特に”夢のある台”として人気があったので1フロア全部ミリオンゴッドなんて店もあったほどです。
ハイリスクハイリターンの代償
ただこの台、当たらない時は全く当たらないんですよね。1万円が10分でなくなるような台です。
それでも、「GOD引けば10万円、もしかしたら100万円いくかも!?」と言うパチンカスがあとを経ちませんでした。
当時は消費者金融のハードルも低く、主婦など所得が無い人でも気軽にお金が借りられた為、旦那に内緒で多額の借金を負う人なども出てきて、決してギャンブルとしても”是”と認められる範疇には収まっていませんでした
ちなみにですが、今「過払金は法律事務所へ!」って必死に広告を出しているのは、この時期にお金を消費者金融から借りた人が違法金利で借りていた為、過払金が帰ってくる可能性があると言う為です。
絶対にあってはいけない事なのですが、当時はパチンコ屋のトイレで自死と言うケースも稀にあったりしたのです。
おかしな時代でした。
GODを引いた過去
当時、僕は小川町にあるお客様先で仕事をしており、会社帰りにパチスロしてました。それも一人ではなくて独身男性数名で行っていたんですよね。20時30分頃から打ち始めても数万円軽く勝てる時代だったんです。
GODは怖くてあまり手を出しませんでしたけれど「1万円だけ!」とかって打ってたんですよね。1万円って大金ですが…ギャンブラーの金銭感覚はおかしいのです。
ある日いつものように仕事を終えて同僚と「行きますか」なんて話しながら神田駅前にあるパチスロ店に向かっていた時ですが、途中のコンビニで缶ビールを買って飲みながら店に行ったんですよ。「景気付けじゃい!」なんて言いながら。馬鹿ですね。
んで、GODを打ったんですけれど3000円でGODを引けました。
100万神
僕はすぐさま一緒に打ちに行った同僚に「ついにGOD引いたぞ!」と言って「俺はGOD消化するから、お前らは寿司屋(隣に鮨屋があったんです)行って寿司食って待ってろ!」なんて調子こいてました。
まぁ、結果的に鮨屋代が25000円くらいもかかってしまった(食べてる方も10万円近く勝っている僕を知っているので容赦なかったんでしょうね)んですけれど、脳汁が出る(ギャンブラーはこう言う表現をします)ってのはこのことか、と思ったんですよね。
その後は「まぁ、GOD引いたからもういいか」と当時のGODからは引退しました。我ながら良いタイミングだったと思います。
1/8192の価値は?
その後、当たり前ですが「ミリオンゴッドは射幸心を煽りすぎる」と言うことで販売停止に。
結果パチスロの規制が厳しくなる事となりました。
それから約10年後に、「今できる(規制された)スペックを最大限に生かしたGOD」が出たんですよね。
結果的に、GODシリーズとして冒頭に書いたようにミリオンゴッドシリーズは現在でも稼働しています。
全てのシリーズにおいて、GOD揃いは1/8192で確率は変わってないんですけれど、やはりスペックダウンしているので、一撃5000枚!とは行きません。
フラグの確率は変わらないんですよ。でも出玉は確実に減っています。
僕も初代は1回しか引けませんでしたが、その後のシリーズでは10回くらいGODを引いてます。でも、期待値はそこまで無い。現存する機種(神々の凱旋)では1/8192を引いた場合の期待値は1500枚まで減っています。
それでも、打つ人がいるのはやはりブランド力と「うまくいけば万枚(10000枚)出やすい」ってのがあるんでしょうね。ハイリスクには変わりありませんが。
終わりに
今のパチスロは液晶画面がある機種の場合、大当たり後に「パチスロは適度に楽しむ遊びです」と表示されます。おそらく義務付けられているのだと思います。
「どの口が言っとるんじゃい!」ってな感じですが、人生棒に振るようなギャンブルとしてはちょいと勿体無いって感じは確かです。人生棒に振るようなギャンブルなら競馬100万円1点買いとかハイレバレッジでFXやった方が良いです。パチンコ・パチスロは大勝ちしても30万円位、人生棒に振るにはしょぼすぎます。
ただ、規制が厳しくなるとパチスロ業界の人口が減るので、規制の目をかいくぐってまた射幸性の高い台が出るイタチごっこが十何年にわたって繰り広げられているわけです。
独身で貯金に余裕があるうちは良いですが、結婚したりしたらきっぱりと止めるのが良いと思いますよ。
僕の知り合いでも独身時代狂ったようにパチスロやってた人(居酒屋で飲んでる途中に「ちょっと打ってくる」なんて言って本当に30分くらい離席してた人)も結婚して子供が生まれて今ではキッパリやめたりしてます。
ただの箱(スロット)よりも、大事なのは両親、友人、奥さん、子供ですからね。
ギャンブルは程々に。
では。